第5章 *LIB ナイトメア・ビフォア・クリスマス*
たちが出て行った後、ジャックの家では一部始終を隠れて見ていたゼロが棚の隙間からふわりと現れると、悲しげに鼻を鳴らしていた
ゼロ『キャウン..』
どうしたらいいのか分からず、窓から見える連れ去られていくたちの背中を見つめていた
その時、部屋の奥から嗅ぎ慣れた匂いを感じ、ふわふわと近づいてみると、そこには黒い布が1枚床に落ちていた
鼻を使って広げてみると、それは大きな満月が刺繍されたのハンカチだった
家から出る寸前、隠れているゼロの気配に気づき、一縷の望みをかけて落としていったのだ
ゼロはの匂いが残るハンカチを咥えると、また悲しそうに鼻を鳴らしながら、ジャックを探しに来たジャミルたちが来るまで部屋の隅で小さくなっていた
『(誰か、気づいてくれるかな..)』
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たちが攫われ少し経った後、中々戻ってこないのを心配しジャックの家を訪れた町長とジャミルは、誰もいない室内と隠れていたゼロ、そしてその口に咥えていたハンカチに事を知ると、町へと戻り全員での捜索を始めた
スカリーの命令で足止めとして現れた悪ガキ3人組に翻弄されながらも、ジャミルたちはなんとか居場所をつきとめようとしていた
一方その頃、悪ガキ3人組たちを町へ向かわせたスカリーは、自分の理想のハロウィンを実現すべく目的の地へと向かっていた
彼の傍らには足の生えた真っ白なバスタブが着いて歩き、その中には未だ寝ているジャックとカボチャ化が解けたので、全身縛られ口枷のされたグリム、そしてとユウはせまいバスタブの中を窮屈そうに座っていた
ーー墓場
スカリー『ああ、見えてまいりましたよ。あの幽玄の丘..ハロウィン・タウンの中でも、我輩が最も愛おしく思っている場所でございます』
ジャック『すう..』
グリム『むぐぐっ..むぐぐぐぐっ!!むぐー!』
スカリー『ああ、申し訳ございません。気が利かず..ここまで来れば大丈夫でしょう。口枷を外して差し上げます』
口に咬ませられていた布が解かれると、ようやく自由になった口で大きく息を吸い、スカリーを睨みつけながら猛抗議した