第5章 *LIB ナイトメア・ビフォア・クリスマス*
片手に持つ袋をユラユラさせながら笑みを深める。人質ならぬ魔獣質をとられ、2人は目を合わせ仕方なく抵抗の意志を見せなくなった
スカリー『さすが聡いお二人だ。
少々予定が狂ってしまいましたが..素敵な皆様、打ち合わせは必要ございますか?』
グリム『皆様..?』
?『いらないわよスカリー』
?『打ち合わせなんて意味がない』
?『おれたち3人なら間違いなし!』
『『『そう合図はいつものワン・ツー・スリー!』』』
スカリーの呼び声に飛び出してきたのは、仮面を被ったあの悪ガキ3人組だった。驚く間もなくひょいとグリムの入った袋とジャックを持ち上げると、さっさと運び出して行ってしまった
グリム『ふなーっ!?』
スカリー『..さあ、我輩たちも参りましょう、ユウさん、さん。共に真のハロウィンを過ごそうではありませんか。きっと貴方がたも気に入るはずですよ..
イーヒャッヒャッヒャ!』
悪意満ちた高笑いを響かせながらスカリーは先に外へと歩き出し、残ったユウたちも仕方なく後に続くことにした
ユウ『..行こう』
『....』
ユウ『?』
『....ん、行こ』
互いの不安を分け合うように手をしっかり繋ぎながら、誰もいなくなった彼の家を後にした
スカリー『御二方?..ああ、申し訳ありません。歩くのが早かったようですね。向こうに皆様をお運びする乗り物を用意しております。さあさあ、そこまで我輩が後ろから支えて差し上げますね』
家の前で待っていたスカリーは2人の背後に回り、その背を押そうと手を伸ばすが、に伸びた手はユウによって振り払われた
ユウ『この子に触るな』
スカリー『......』
ユウの澄んだ栗色の瞳とスカリーのサングラス越しの鋭い瞳が不穏な空気を纏いかち合う
しかしすぐにパッと笑みを見せたスカリーは"申し訳ありません"とユウの背だけを押して先を急がせた