第5章 *LIB ナイトメア・ビフォア・クリスマス*
『....やっぱりカボチャさんがガイコツさんを眠らせたんだ』
ユウ『やっぱりって..どういうこと?』
『さっきガイコツさんから不思議な匂いがしたの。イヌホオズキっていう草の匂いで、初めてお姉さんに会った時、あの人も同じ匂いがしてた』
ユウ『サリーさんからも?』
『レオさんが言ってた。お姉さんはハカセさんに食べさせるスープの中によくイヌホオズキを入れるんだって。食べると凄くよく眠っちゃうから、その間にお家から逃げるんだって。だから初めて会ったあの日も、お家を逃げ出してきたからあの匂いがしてた。
それがガイコツさんからしたってことは、誰かがイヌホオズキを食べさせた』
ユウ『..ジャックさんが家に戻ると言ってホールから出てから、そんなに時間は経ってない。更にここに来る間に誰かとすれ違ったり、この家から誰かが出て行くのは見てない。
てことは..』
『カボチャさん、貴方がやったんでしょ?』
確信めいた2人の視線がスカリーを真っ直ぐに捉える。痛いほどの沈黙が緊張感を高め、静かに冷や汗がこめかみを伝い落ち、はいつでも戦闘に入れるようにポケットからマジカルペンを取り出した
グリム『にゃに!?お、おまえがジャックを眠らせたのか!?』
スカリー『あっ、グリムさんは気づいていらっしゃらなかったのですね』
グリム『...へ、へーん。オレ様当然気づいてたもんね。スカリーめ、悪いやつなんだゾ』
『どうしてこんなことするの』
スカリー『ハロウィンのためです。貴方様も分かってくださいますよね?そうでなければ困ってしまいます..
貴方がたの分の袋が足りませんので』
怪しく笑いながら少しずつ近づいてくるスカリーに、はユウを背で庇いながら少しずつ後退っていく
本当ならば今すぐにでも、ユウの手を掴んで走って逃げたかったが、彼の手に持つ袋の中でカボチャになったままのグリムを置いて行くわけにもいかなかった
『ユウ。私が魔法でなんとかするから、その間に逃げてみんなにこのことを..』
スカリー『いけません。ユウさん、さん。お2人のどちらかが逃げたり、さんが魔法で抵抗するようなことがあれば...お分かりでございますね?』