第5章 *LIB ナイトメア・ビフォア・クリスマス*
ジャック『これは...』
バスケットを手に首を傾げると、ホールの端からこちらを見ていたサリーが気恥ずかしそうに去っていくのが見えた
ジャック『..とても美味しそうだ。ありがたくいただくよ』
優しい彼女からの愛の篭った差し入れお弁当を大事に抱えると、ジャックは至極嬉しそうにホールを後にした
『ガイコツさん、すごく嬉しそうだった。あれ何入ってたのかな?』
トレイ『お弁当だよ。さっきサリーさんが作ったんだ』
ジャミル『ジャックさんに喜んでもらえて良かったですね、サリーさん』
サリー『ええ..ふふ』
愛する人に弁当を喜んでもらえたことが嬉しいのか、サリーは縫い合わせた口でにっこりと微笑んだ
『大好きな人にお弁当...すごく素敵』
ユウ『恋路を後押しなんて、先輩にしては珍しいことするじゃないですか』
ジャミル『珍しいとは何だ、珍しいとは』
ジェイド『なんだか甘酸っぱい空気を感じませんか?』
アズール『ええ。是非サリーさんの願いが叶うように取引..ではなく手伝いをさせていただきたい』
ユウ『いや、絶対どっかで茶々いれたり邪魔したりするでしょ』
ジャミル『そうだ。無粋な真似をするな』
グリム『甘酸っぱい?空気も食えんのか!?ソレもよこすんだゾ!』
セベク『ははっ。さすがのグリムもこればかりは食えまい』
レオナ『ああ。毛玉には100年早ぇな』
唯一状況が分かってないグリムは食の話かと思い無邪気にそれを食べたい、とせがむのを、周りは小馬鹿にしながらその真意を教えることはなかった
『お姉さん』
サリー『ん?どうかしたの?』
『お姉さんはガイコツさんの事、大好きなんだよね』
サリー『え、ええ..』
『私もね、好きな人達がいるの。その人達はいつも私に優しくしてくれて、大事に守ってくれるの。でも、私は何もお返しできなくて..』