第5章 *LIB ナイトメア・ビフォア・クリスマス*
少し遅れてカップを手に取ると、ふわりと漂う香りが優しく鼻腔をくすぐる
『良い匂い...いただきます』
ジャミル『この世界に飛ばされてから色々あったからな..心が疲れているんだろ。これを飲んで少しは落ち着くといいんだが..』
『ん..美味しい。体がポカポカする』
ジャミル『それは良かった。沢山淹れてきたから、おかわりが欲しかったら言ってくれ』
『ん。ありがと』
ジャミル『..心配するな。明日はきっと上手くいく』
わしゃわしゃと髪を撫でると、ジャミルはポットを片手に席を立ち他の人のところへと向かっていった
『みんな、優しいね』
ユウ『僕も含めて一部限定の人はいるけどね』
アザミ茶を片手にようやく一息ついたのか、リドルたちの顔には幾分か明るさが戻り、談笑したりゼロと交流を図ろうとわちゃわちゃしたり楽しげな雰囲気が流れる
ただその賑わいに静かに飲みたい派のセベクはまったく落ち着けることなく、眉間にシワを寄せて大きなため息をついた
セベク『やれやれ。せっかくのお茶も静かに飲めないのか。揃いも揃ってみっともない..ん?なんだ、よく見れば揃っていないではないか。スカリーはまだ戻っていないのか?』
レオナ『あいつなら、チビ3人組の手伝いをするとさ』
サリー『あの3人組なら、魔女たちから枕とブランケットを借りてるところを見かけたわ』
ジャック『時間がかかるだろうね。なにせ色んな所からかき集めないといけないから。そうだ!僕も家にお客様用の寝具があるんだ。持ってきてあげよう。
ということで、僕は一度家に戻ることにするよ。続きの作業を進めていてもらえますか?』
町長『任せてくれ』
博士『心配なしじゃ』
ジャック『それじゃあみんなも残りの時間、ハロウィンのために頑張ってくれたまえ!』
そう言って立ち上がりふと足元を見ると、自分の隣の椅子の上にバスケットが置かれているのを見つけた
中には液体が入ったワイン瓶と、魚の骨をパイで包んだような土気色の食事が入っていた