第5章 *LIB ナイトメア・ビフォア・クリスマス*
ハロウィン・タウン ホール
その後、午後の作業はなんとか各チーム順調に進んだようで、最後の仕上げにかかる前の小休止としてホールに集まっていた
互いに自分のチームの順調さに謎の小競り合いを挟みつつ、いよいよ明日に向けてもうひと頑張りという中、は暗い面持ちでユウの肩に寄りかかっていた
『......』
ユウ『元気だして。きっと明日はスカリーくんもなんだかんだ楽しんでくれるよ』
『ん...』
レオナ『さあ、どうだろうなあ?とはいえ、今お前が辛気臭い顔してダンゴムシみたく蹲る必要はねえよ』
『むぅ...』
ジャック『さて、明日はいよいよハロウィンだ!』
ユウ『楽しみですね』
ジャック『うん。きっと笑う子も泣き叫ぶ素晴らしいハロウィンになるよ!』
ジャックの言葉に言い争っていた面々も、来たる本番が楽しみなのか笑みが溢れていく。普段なら大好きな人たちが嬉しそうにしていると、つられて嬉しくなるだったが、今日だけはそんな気分にはなれず、未だに帰ってこないスカリーを思いながらため息をついた
レオナ『はあ..明日の今頃、本当にツイステッドワンダーランドに帰れていればいいんだが』
ジャミル『ユウ、。お茶を淹れてきたからお前たちも飲むといい』
コトリと目の前に置かれたカップに顔をあげると、先程から全員に配り歩いていたジャミルが二人分のカップを持ってきてくれていた
ユウ『ありがとございまーす。なんのお茶です?』
ジャミル『アザミを干してつくったやつだ。沢山生えていたから、サリーさんと一緒に摘んだんだ』
ユウ『おー、ようやくここで口にできそうなものが登場ですか』
いただきます、と早速手につけるユウの横で、はまだ晴れない表情でアザミ茶の揺れる水面を見つめていた
ジャミル『どうした、飲まないのか?もしかして苦手だったりしたか?』
『..ううん。お茶は何でも好き。淹れてくれてありがと、ジャミさん』