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【ツイステ】黒兎は駆け巡る *イベントストーリー

第5章 *LIB ナイトメア・ビフォア・クリスマス*





『一緒に、町に戻ろ?』


スカリー『......さん。貴女はあの時仰りましたね。これから我輩がどうしたいのか。自分を信じて考えていけばきっと大丈夫、だと』


『ん』


スカリー『そのお言葉をかけてくださった時、本当に嬉しかったのです。自分の理想を信じられなくなって落ち込んでいた..それでも貴女は我輩のしたいことを肯定し、信じ続けろと背中を押してくださった。

ですから我輩は信じます。己の理想を。そしてそのために何をするべきかを考えます』



言い終わると同時に旋毛にキスが落とされ、体が少しだけ離れていく。見上げるの頬に手を滑らせると、腰を更に屈め何度目かもう分からない触れるだけのキスを額と頬に贈り、スカリーはどこか儚げに笑みを浮かべた




スカリー『さん。今からでも、我輩の愛するハロウィンをしないかと皆様に説得しませんか?ご安心ください、その時は共に夜を越えましょう。我輩が貴女を決して一人にいたしません』




いかがですか?と首を傾げながら問いかける。恐らくこれが彼から自分へ最後の勧誘だと察し、それでもその思いには応えられない、と胸が締め付けられる心地に眉をひそめると、静かにスカリーから離れる


その瞬間、彼の口元が激しく歪んだのをは見逃さなかった


スカリー『...そう、ですか。結局貴女も..』


『カボチャさん..』


スカリー『..先に戻っていてください。ロック様たちのお手伝いをしたいのは本当ですから。夜までには戻ります』


そう言うとスカリーは背を向け、こちらの返事も待たずにフラフラと歩いて行ってしまった


背を向ける直前、彼の横顔からサングラスの横から見えたオレンジの瞳からキラリと光る雫が零れ落ちた


残されたは頬を撫でる冷たい風に身をぶるっと震わせると、静かに町へと歩き出した








『(寒い...)』



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