第5章 *LIB ナイトメア・ビフォア・クリスマス*
スカリー『出会ってすぐの様子からも思慮深い方であるとお見受けしました。並の学生とは一線を画するその知恵。単に上級生だからというだけではないように思います。
それでいうと、さんも淑女として非常に素晴らしいお方ですね。常に落ち着いていて周りの方々をよく見ていらっしゃいます。また、皆様へかける優しい言葉や細やかな気配りは目を見張るものがあります』
『そう、かな..でもありがと』
スカリー『きっとお2人はさぞ高貴な..』
レオナ『ぺらぺらぺらぺらとよく回る口だな。人のことよりテメェ自身に目を向けたほうがいいんじゃねえのか』
スカリー『我輩自身?はてどういう意味でしょう』
レオナ『自分自身でも気づいていないようだが..いや、気づいてないふりをしてるのか?』
首を傾げるスカリーに眉をひそめると、レオナは彼に出会ってから今に至るまでに感じていた、心にとどまり続ける疑念を投げかける
レオナ『憧れのジャック・スケリントンに出会い、天にも昇る気持ちでウキウキとハロウィン・タウンに来たら..最高のハロウィンを否定されて、夢をぶち壊された。それがお前の今の状況だ。それでヘラヘラ笑っているだけとは、随分と聞き分けが良いじゃねえか。
テメェが今の状況に不満がないとはとても思えないが?』
探るように細まったエメラルドが容赦なく現実を突きつける。流石にと思いレオナを止めようと側に寄るが、自身も気になっていたこともあってその手は伸びることなく、ただ静かにスカリーの返答を待つ
すこしの沈黙の後、薄い笑みを浮かべてスカリーは首を横に振った
スカリー『...不満など、あるものですか。確かに賑やかなハロウィンというのは、我輩の考えていた答えとは少し違ったかもしれません。
これまで我輩は1人で静かにハロウィンを過ごしてまいりました。村の者たちも皆そのように厳かなハロウィンを尊んでおりましたので、それが普通のことだとばかり..ですかきっと、我輩が浅はかだったのです!
ジャック様はパンプキンキング。深い考えがおありなのでしょう。そうに違いない!』