第5章 *LIB ナイトメア・ビフォア・クリスマス*
レオナ『ああ。魔力が高い相手には通用するかどうかは分からないが、意表を突くにはいい手だな』
ジャミル『そうですね。それにスカリーはまだ1年生だ。練習すれば使用できる回数が増える可能性は十分にある』
レオナ『ただのハロウィン馬鹿かと思ったが、思ったよりは見どころのある草食動物かもしれないな』
セベク『あんな人間より僕の方がもっとすごい!!!』
口々に褒められる同級生に我慢できずセベクが吠え立てると、近距離にいたレオナたちはあまりの煩さに耳を押さえて仰け反った
ジャミル『張り合うなよ!ユニーク魔法を比べたって仕方ないだろう』
『セベク』
セベク『!..なんだ?』
『ジャミさんの言う通りだよ。ユニーク魔法はその人だけのものなんだから。それに、セベクの魔法だってすごいよ?』
セベク『.....張り合ってなどいない。ただあいつより僕の方が優れていると知らしめたかっただけだ!』
レオナ『それを張り合ってるっつーんだろうが』
マレウス『ほう。まだまだ荒削りではあるが面白い魔法だな』
セベク『マ、マレウス様まで..!』
ジャミル『..ん?、目元が赤いな。もしかして泣いたのか?』
『ぇ..ぁ..ううん。目にゴミ入って、それで..』
ジャミル『..そうか』
明らかに隠していることがバレバレだったが、本人が言わないのであれば追求する必要はないかと、ジャミルはただその髪を優しく撫でた
悪ガキ3人組もすっかり大人しく(?)なり、その場を去って行くのを見届けると、午後の準備に取り掛かり始める
となるはずだったが、目の前でマレウスたちに褒められるスカリーに対抗心を燃やしたセベクによって、3度目のメンバー変更のくじ引きが行われることになった
結果は
セベク『よし!!!!!!』
『良かったね、セベク』
セベク『見たか!やった!今度こそマレウス様と一緒!やりました若様!』
マレウス『そのようだな。よろしく頼むぞ』
セベク『はい。ついにご同行叶いましてこのセベク感激の至り。もう悔いはありません..!』
ヴィル『何満足してるのよ。頑張るのはこれからでしょう』
『んふふ。じゃあ、みんな頑張ってね』
マレウス『ああ。お前もな』