第5章 *LIB ナイトメア・ビフォア・クリスマス*
ヴィル『あら残念。どうしてもセベクが嫌ならあたしが代行しようと思ってたのに』
ユウ『だ、か、ら!早くギューして、そんで早く僕のところに返して!』
怨霊のような圧を背後に受けつつ、セベクはむむむと唸った後、上級生が見守る中、腹を括りまだポヤポヤとしているを優しく抱きしめた
セベク『こ、これで満足か?』
『む〜...もうちょっと』
セベクが逃げないように広い背中に手を回す。包み込む温もりと少しばかり速くなる鼓動が、段々と頭をスッキリさせていく
セベク『も、もういいだろう!』
『もうちょっとしてほしかったけどいいや。ん、ありがとセベク。おはよ』
セベク『お、おはよう。ではなく!すぐに身なりを整えて準備にかかるぞ!』
『ん』
気恥ずかしさに顔を真っ赤にしながら、そっぽを向いてしまったセベクにクスリと笑うと、まだ棺桶で眠るレオナを優しく撫でた
『レオさん、起きて』
レオナ『んー..ぐるる..』
ヴィル『そんなんじゃ逆に寝付くわよ』
グリム『..ん?そういやスカリーのやつがいねーんだゾ』
セベク『スカリーなら日の出を見に行った。もうすぐ戻ってくるだろう。僕が目を覚ましたときにはもうあいつも起きていた。随分と早起きだ。グリムも見習うといい』
グリム『うっせえ。オレ様よりユウの方がねぼすけなんだゾ!』
ユウ『んなわけないでしょうが。誰がいつも起こしてあげてると思ってんの』
『ユウ。いつも優しく起こしてくれてありがと』
ユウ『いいんだよ。これからも毎日のこと起こさせてね♪』
ユウの切り替えの速さにドン引いていると、日の出を見に出かけていたスカリーが戻り、全員へと優雅なお辞儀で朝の挨拶をした
スカリー『素敵な皆様、おはようございます。静かな町に陽が昇り、白く染まる光景は、荘厳そのもの..実に美しゅうございました。さあ、輝かしい1日の始まりでございます』
ジャミル『朝から元気だな。君はちゃんと眠れたのか?』
スカリー『ふふふ、どうでしょう。眠って過ごすには長すぎる夜でしたので..』