第5章 *LIB ナイトメア・ビフォア・クリスマス*
ユウ『ちょ、ちょっと!僕のを返せ〜!!!』
トレイ『やれやれ。今夜の勝者はレオナだな。仕方ない、今日はもう諦めてみんなそろそろ寝ようか』
リドル『全くもって不本意だけど、トレイの意見には賛成だ。明日もあることだし早く眠ろう......本当に不本意だけど』
マレウス『....』
セベク『ああ、マレウス様..どうかお気を落とさず』
マレウス『まあいい。まだ明日があるのだから』
『みんな..ごめんね。おやすみ』
『『『『おやすみ/なさい』』』』
全員が眠りについた頃、はふと目を覚ました。夜風が建物の隙間に吹きヒューヒューと不気味な音を奏でる
周りから全員の寝息が聞こえるが、慣れない場所と風切り音が居心地悪く、目の前のレオナにそっとすり寄った
すると、背中に回っていた手がモゾモゾと探るように動き、髪に触れると優しく撫で始めた
レオナ『..どうした?』
寝起きの掠れた低音が耳に心地よく囁かれ、あやすように旋毛にキスが落ちる
『ごめん..ちょっと、目が覚めちゃって』
ヒュルルルーー...
『..むぅ..』
レオナ『あの音が怖いか?』
『前の、オンボロ寮みたいで、ちょっと..や』
レオナ『あの時の方が酷かっただろうが。気にせず寝ちまえ』
『...ねぇ、レオさん』
レオナ『ん?』
『レオさんの瞳、見たい。そしたらきっと安心する』
腕の中からの可愛いおねだりに小さく笑うと、少し体を離し互いに見つめ合う。日中、眼帯によって隠れていた傷のある左目も、今は外され露わになっていた
彼の鋭く美しいエメラルドが何よりもお気に入りなは、暗闇でも僅かな光でどこまでも澄んで煌めく目の前の宝石の瞳に心奪われる
『綺麗...』
うっとりとした表情を向けられ、レオナは甘い色を乗せた瞳を細めながら大きな手で頬を撫でる
レオナ『お褒めに預かり光栄です、レディ。ですが貴女の紅い瞳こそ、どのような宝石さえも霞むほど美しい。まるで貴女を想うたびにこの身と心を焦がしていく炎のようだ』
『!..んふふ、ありがと』
わざとらしい恭しい態度に笑いが込み上げる。本人もわざとやっている自覚はあるため、つられて喉を鳴らして静かに笑った