第5章 *LIB ナイトメア・ビフォア・クリスマス*
『お顔が暗くてちょっと心配だったの。気のせいだった?』
スカリー『..さんはとても気の利く方でいらっしゃいますね。親切な貴女。そのお気遣いに深く感謝いたします。どうか我輩のことはお気になさらず』
『....そっか。でも、少しだけでいいから側にいていい?』
スカリー『..ええ、構いませんよ。我輩も、貴女が側にいてくださると....いえ、なんでもありません』
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時間は経ち、すっかり夜もふけたところで、今日の準備はここまでとなり、進捗報告がてら全員広場へと再集結することとなった
ジャック『さて、ツイステッドワンダーランドのみんな。ハロウィンの準備の進み具合はどうかな?捗ったかい?』
シーーーーン.....
その問いに応えるものはなく、通夜のような静けさが冷えた空気に乗って流れていく
ジャミル『ハロウィン・タウンの常識に驚いていたら夜になってしまった..』
セベク『僕たちも同じだ。あまりにツイステッドワンダーランドとのギャップがありすぎて..マレウス様はいかがでしたか。不快な思いなどされておりませんか!?』
マレウス『言い争っていた記憶しかない』
ジャミル『寮長が揃っているチームが一番どうしようもないじゃないですか』
レオナ『寮長が揃ってたのが問題なんだよ』
グリム『どこのチームも全然できてねーんだゾ。本当にこんなんで大丈夫なのか?』
ユウ『初日でこれとか不安すぎる』
『あと2日しかないよ』
スカリー『ええ、我輩も同じように思っておりました。我輩は無理に新しいことに取り組まずとも、例年通りのハロウィンで良いと思うのですが。静かで寂しく恐ろしい、伝説のハロウィンもそれはそれは尊いものではないかと』
ジャック『いやいや、それじゃいけないよ。同じハロウィンの繰り返しでは虚しいだけじゃないか』
スカリー『虚しい..?』
ジャック『そう。だからみんなで誰も見たことないようなハロウィンを作ろう!』
スカリー『...ええ。ジャック様が、そうおっしゃるのであれば』
レオナ『おい。今はハロウィンの準備より先に確認しなきゃならないことがある』