第5章 *LIB ナイトメア・ビフォア・クリスマス*
ユウ『だよね。どうせここにいたって見渡す限りの平地だし、それなら少しでも情報のある場所へ行くのがいい
....ねぇ、グリムは..あれ?』
『グリムあっちにいるよ』
先程から相棒が一言も喋らないことに不思議に思い呼びかけるが、いつの間にか姿を消してしまっていた。すると声を拾った耳をピンと立てたがその姿を見つけ指をさすと、ゼロにじゃれつかれ必死に逃げ惑うグリムがいた
グリム『た、助けてくれーっ!透けてる犬がオレ様の匂いをクンクン嗅いでくる!気持ち悪い!こっち来んなー!』
ゼロ『ワンワン!ワンワン!』
ユウ『いや、懐かれてるし。ちょ、先輩方ぁ!グリムが走ってっちゃってるんですけどー!!』
ジャミル『なにやってんだあいつは!』
セベク『犬に追いかけられて..飼い主であるジャックやスカリーたちと一緒に行ってしまうぞ!』
ユウ『待ってグリム!てか、走ると逆に犬は追っかけて....あー向こう行っちゃった』
『行こ、ユウ』
ユウ『そうだね』
レオナ『おい!』
レオナの声を背中に受けながら、二人はゼロに追いかけられ遠くに消えたグリムを追って駆け出した
残された面々はグリムやユウ、なにより自分たちの大切なまで行ってしまったことに多数決を取っている場合ではなくなり、仕方なく全員で後を追うことにした
しばらく走ると、古びた大きな門の前にたどり着き、そこには先に待っていたジャックとスカリー、そして何故かゼロに舐められ続けるグリムが抵抗しながら必死に手で追い払っていた
グリム『ひいい〜ん..こいつ、なんでオレ様ばっかりぺろぺろするんだゾ〜』
『ふたりとも可愛い』
グリム『おい犬!オメーにも懐いてただろ。そっちに行くんだゾ!』
ユウ『あ、売ったな』
ゼロ『ワンワン!ワンワン!』
『あわわわ..ワンちゃんちょっと落ちついて』
グリムからに乗り換えると、頬を舐めながら体全体を揺らし嬉しそうにじゃれついてくる
スカリー『羨ましいですよさん(ああ、本当に羨ましい..ゼロ様になりたい)』