第5章 *LIB ナイトメア・ビフォア・クリスマス*
その言葉に、何故か1人異世界転生ラノベで見たやつだ!とオタク特有の早口で捲し立てるイデアをよそに、セベクは隣に立つマレウスに助言を求める
セベク『マ、マレウス様..これは、一体..』
マレウス『..キングスカラーの予測はおそらく正しい。スケリントンからも、この場所からも、魔力を感じない。それなのに、動くはずのないものが動き、話すはずのないものが話している。
あの本によって、僕たちは異なる世界に来てしまったようだ』
セベク『そ、そんな..それではマレウス様は..茨の谷は!?ああ、なんと..なんということ..!』
スカリー『実に素晴らしい!なんという僥倖!』
リドル『僥倖?こんなトラブルが幸運の訳がない。ボクたちは学園に帰らなければならないんだ!』
ヴィル『当然よ!ジャックさん。あたしたち、自分の住む場所に帰りたいの。この場所から出る方法を知らないかしら!?』
ジャック『この場所?なんのことだかさっぱり..ああ!この丘を出たいってことか!』
エペル『いや、そうじゃなくて..』
ジャック『それなら僕の町に案内するよ』
スカリー『ええっ。よろしいのですか!』
ジャック『ああ。町のみんなも楽しいことが好きなんだ。きっと君たちを歓迎する。
それに..君たちが、僕の抱えているこの悩みに答えをくれるかもしれない』
セベク『悩み?』
ジャック『さあ、こっちだ!案内するよ。行こう、ゼロ』
ゼロ『ワンワン』
こちらの返事も待たずに愛犬を連れて一足先に歩き出したジャックを、ノリノリで追いかけるスカリーを除いた全員呆然と見送るしかできなかった
訳の分からない状況に増えた不審者。ある意味情報過多な状況に、ついて行くか行かないかという議論でザワザワし始める
ユウ『みんな揉めてるなぁ..はどうする?』
『.....危ないかもしれないのはわかるけど、町に行ったほうがいいかも。他に行けるとこも出来ることもないし..それに、あの人は多分悪い人じゃないよ』