第4章 *グロリアスマスカレード*
『(みんなキラキラしてる。でも嫌いなキラキラ..この人も、や。あの人も..や)』
品定めをするように談笑する他校の生徒たちを見ながら歩を進める。しかしどの生徒も本能的に嫌悪感を感じて首を横に振った
そんなが一人で歩いていることに周りの生徒はソワソワしていた。先程まで、誘おうとしても周りにいたユウたちの牽制で話すことも出来ないでいたため、今が好機だと浮足立っていたのだ
?『あ、そこの君』
『ん?...っ..』
振り向いた瞬間、これ以上ないほどに顔が嫌悪に歪む。こちらへと小さく手を振りながら近づいてきた愛らしい白雪は、あっという間に目の前まで来ると、"やっぱり!"と嬉しそうに顔をほころばせた
ネージュ『君、VDCの時にヴィーくんと一緒にいた子だよね。あの時は確か男子制服を着てたけど..そっか、女の子だったんだ』
『...』
ネージュ『あっ、まだ名乗ってなかった..ごめんね。僕はネージュ・リュバンシェ。男子服を着てたのは何か理由があるんだよね?このことは内緒にしておくから安心して。実はあの時君を見つけてから、ずっと話したいと思ってたんだ。ヴィーくんに聞いても何故か教えてくれなくて..』
輝きと愛らしさに満ちた2人に周りは話しかける目的を忘れ、ボーッと眺めることしかできなかった
笑顔で話すネージュとは対照には今にもネージュに殴り掛かりそうな表情で黒いオーラを放っていた
ネージュ『この交流会で君に会えて嬉しいな!どう、かな..僕と一曲踊ってくれませんか?』
『...い』
ネージュ『ん?』
ふるふると握った手が震え、血のような深紅の瞳が憎悪の炎を灯して鈍く輝く
『っ、貴方なんて!き、』
?『おー、やーっと見つけたぜぃ』
『!!』
嫌いと叫びそうになるを後ろから何者かが抱きしめた。怒りで周りの気配に気を回す余裕がなかったため、いきなりの抱擁に大きく肩を震わせる
しかも香ってきた魔力がNRCの生徒のものではない事に気づき、恐怖が体を駆け抜ける
『ぁ..ゃ..っ』
?『そう怖がるにゃーよ。俺だぜ、俺』
耳元で囁かれる低音にハッとしてゆっくり向くと、透き通る紫の髪が擦れ、月よりも鮮やかな黄色の瞳が楽しげに細まる
『ぁ..猫、さん..』