第4章 *グロリアスマスカレード*
イデア『ひっ..』
『えっと、頑張ってね?』
イデア『む、むむむ無理です。やっぱりやめにし、』
アズール『ほら、早く前に進んで準備してください。では行ってきますね。よく聞いていてください』
『ん!』
嫌がるイデアの腕を掴み舞台の前へと進み出ると、舞台上のマレウスと一瞬のアイコンタクトをとり、期待や不安が混じった視線の方へと振り向いた
マレウス『それでは全員..準備はいいな?さあ、忘れられない宴を始めよう。皆で楽しもう!』
会場に歌が響き渡る
マレウスの堂々とした佇まいから紡がれる、壮厳で深く揺れるような歌声
アズールの余裕の笑みで紡がれる、漂う波のような色気のある歌声
イデアの恥ずかしがりながらも紡がれる、流れるようなテノール
3人の歌声はそれぞれ声の高さも質も違うが、合わさり混ざり合うことで、独特のハーモニーを生み出し会場にいる者たちを魅了していく
マレウスが招待の礼として選んだ贈り物は、花の街に古くから伝わる、伝承の鐘撞き男が明るい未来への憧れと希望を歌ったとされる曲だった
歌が終わると、割れんばかりの拍手が3人を称えるように贈られる。中には涙を流す者もいて、3人のサプライズは大成功に終わった
『わわわ..凄かった。3人とも綺麗な声で、歌も上手だった!いっぱいキラキラしてた!カッコいい!』
ユウ『意外とイデア先輩って歌上手かったんだ。まさかこんな歌の準備までしてるなんて、知らなかったなぁ』
マレウス『どうだ、僕たちの歌は』
ユウ『びっくりしたよ。てか、歌上手いねツノ太郎』
『3人ともカッコよかった!ね、今度学校でもう一回聞かせて?』
イデア『え"、この黒歴史のおかわりをしろって?それはいくら氏でも御免被る』
アズール『僕は構いませんが、代わりに何を対価にしていただけますか?』
『対価?ん〜〜とね..じゃあ、』
少し考えてあることを思いつくと、そっとアズールの耳に口を寄せて囁いた
『1日、アズさんだけの兎になる。何でも言うこと聞くから、私のこと..好きにしていいよ』
アズール『っ//!?い、良いでしょう、契約成立です!いつでも聞かせてあげますよ!!』
『んふふ、楽しみにしてるね』