第4章 *グロリアスマスカレード*
アズール『失礼、ロロ・フランム生徒会長!よろしいでしょうか』
ロロ『..何かね、アズール・アーシェングロット寮長』
身バレというプチ報復をしたというのに、嫌な顔をするどころか何故か寧ろ好機だと言わんばかりの笑みで挙手するアズールに、嫌な予感がして少しだけ眉を寄せた
アズール『温かい労いの言葉に感謝いたします。折角なので、私どもからも少しお話させていただいても?』
ロロ『なに?君たちから?いやそんな時間はない。結構だ』
昨晩でアズールの性格を嫌でも理解していたため手早く突っぱねるも、周りにいた生徒会役員から両校の絆を見せるべきだとアズールの提案は承諾された
アズール『ご快諾ありがとうございます!では..マレウスさん。ロロさんのいる舞台の上へどうぞ』
そう言ってついでに一言二言ボソリと囁くと、マレウスは楽しそうに口元を緩めながる"分かっている"と足を踏み出す
帽子から覗くツノや溢れる圧と魔力で仮面をしていても、あのマレウス・ドラコニアだと気づくと会場がざわつき、その道を2つに開けていく
『なに?なにするの?』
アズール『ふふ、見てからの..いえ、聞いてからのお楽しみです。ご安心ください、必ず貴女を楽しませてみせますから』
『???』
舞台を上がりきると、流石にここまで来て追い返すわけにもいかず、ロロは諦めた様子で小さく息を吐くいて少し左へと立ち位置をずらした
ロロ『..どうぞ?お隣へ』
マレウス『ありがとうフランム。
..さて、今宵こうして集えたこと、嬉しく思う。僕の名前を噂している者もいるようだが..正体を問わぬ舞踏会の場にある今、僕たちは等しく"未来ある魔法士"だ。僕のことも、名もなき一介の魔法士として考えてほしい』
『ツノ太郎カッコいい』
ユウ『ちょっと珍しいよね。自分を周りと同じ一般の魔法士として扱ってなんて』
マレウス『そして、この素晴らしい集いへの招待に対し、感謝の気持を表すため..お前たちに、贈り物を用意してきた』
まさかあのマレウス・ドラコニアから贈り物など、何が来るかも受け取って良いものかさえ分からず、会場のざわつきが大きくなる
『アズさんもするの?』
アズール『ええ。それとイデアさんもですよ』
『お月様も?』