第4章 *グロリアスマスカレード*
ノーブルベルカレッジ・大講堂
大講堂にはユウたちの他にロイヤルソードアカデミーやノーブルベルカレッジの生徒たちで溢れかえり、ガヤガヤと話し声が響いていた
昨晩の事件の影響で、シャンデリアの落下や紅蓮の花の枯れた残骸が散らかっていたはずの講堂は何故か元通りになっており、チェーニャやネージュの証言によると日中にロロが一人で片付けているのを見たのだとか
何事もなかったかのような現状に、生徒たちの中には昨晩の事件は夢だったのではないかと思い始める者もいた
ユウ『......』
デュース『ユ、ユウ、さっきからどうしたんだ?の名前をブツブツ呟いたりして』
ユウ『だって全然来ないんだよ?やっぱり今からでも迎えに行くべきか..また変なことに巻き込まれて泣いてるかもしれない』
エペル『そ、そんな連続で事件なんて早々起きない..かな。とにかくもう少し待ってみようよ』
ラギー『どうしたんすか?』
エペル『あ、ラギーサン。実はチャンがさっきの集合から来てなくて..心配だからってユウクンが迎えに行こうとしてるんです』
ラギー『確かにいなかったっすね。それは心配っすけど..ほら、あの子のことだから可愛いくなるためにメイクとか頑張ってるんじゃないっすか?』
ユウ『う〜ん..それなら良いんですけど』
ラギー『そんなに気になるなら電話かけてみればどうっすか?』
ラギーの提案に頷いてスマホを取り出すと画面をいじって電話のページを開く
?『昨日の事件の後、女の子がうちの医務室に運ばれたのを見たんだ。その後容態を聞いたら、全身すり傷だらけの上にお腹に青痣まであったらしい』
?『それは痛そうだ。逃げる途中で焦ってぶつかったのかもしれないな』
後ろを通り過ぎたノーブルベルカレッジの生徒たちの話にユウの手が止まる。女子生徒ならばノーブルベルカレッジにもいるが、全身すり傷だらけという怪我を負った女子生徒は、自分の知る限りではたった一人しかいなかった
ユウ『(お腹..?そういえば服の下の怪我までは確認できなかった。でもどうして..)』
ロロ『..痣になってしまったか。故意ではなかったが..まあ、悪党には良い痛手になっただろう』
『『あ"?』』