第4章 *グロリアスマスカレード*
ユウ達が出ていった後、はロロから贈られたドレスを慣れない手付きでなんとか着終えると、ある人物とテレビ通話をしていた
『ごめん、忙しかった?』
ヴィル『いいえ、ちょうど休憩してたところ。でも驚いたわ、交流会に行ってるあんたから突然メイクを見てほしいなんて連絡が来たんだから』
『折角の舞踏会だから、いっぱいオシャレしたくて..一番可愛いって言われたいの。だってほら、こんなにドレスは可愛いんだよ』
クルリと回り全体を見せると、画面の向こうのヴィルが優しく目を細める
ヴィル『ええ、とても綺麗で素敵だわ。確かにそのままのあんただとドレスに着られてる感じがあるわね。
分かった、そのドレスとあんたに似合うメイクを教えてあげる。ついでにレクチャーしてあげるからヘアアレンジもしてみなさい』
『ん!ありがと』
ヴィル『じゃあ早速始めるわよ』
それからヴィルの指導の元、メイクとヘアアレンジ講座が始まった。画面からの声に従い持ってきていたメイク道具でまだ慣れない手付きで施していく
メイクに合格がでると、次は魔法を使ったヘアアレンジのレクチャーが始まる。マジカルペンを動かしながら毛先を巻いたり結い上げたりと初めての作業に、何度も失敗しながら根気強くやり直し続け、数分後にようやく完成にこぎつけた
『できた!』
ヴィル『よく見せて..まあまあの出来ね。初めてにしては上出来よ。帰ったらもっと細かく教えてあげるわ』
『ん!..えへへ、可愛くできた。ヴィルさん、ありがと。長いこと付き合ってもらっちゃった』
ヴィル『あんたのメイク監修ができたから良しとするわ。ねえ、もう一度ドレスをよく見せて。完璧に着飾ったあんたを見たいわ』
その言葉に頷くと立ち上がり数歩下がってゆっくりとその場で回って見せる
ヴィル『素敵よ..本当に綺麗。今そっちに行けないのが悔しくて仕方ないわ。あんたと踊る男を片っ端から呪ってやりたいくらい』
『んふふ、私もヴィルさんと踊りたかったな』
ヴィル『帰ったらあたしの部屋でそれを着て見せてちょうだい。ちゃんと目の前で見たいわ』
『ん!』
ヴィル『さて、そろそろ会場に向かった方がいいんじゃない?呑気な連中にあんたの美しさを見せつけてやりなさい』