第4章 *グロリアスマスカレード*
ユウ『はいはーい、どちら様ですか』
ベットから降りてドアへと近づくと、一応警戒しながら少しだけ開けて顔を覗かせた
?『失礼します。あの、・さんはそちらにおられますか?』
そこにはノーブルベルカレッジの生徒が立っており、その両手には小さなバスケットが握られていた
ユウ『はい、いますけど』
?『良かったです!でしたら、こちらをお受け取りください。今回の事件のお詫びとして、生徒会から皆様へ街の葡萄をお渡ししてるんです』
ユウ『生徒会..ということは生徒会長のロロさんから?』
?『はい。ロロ会長がご提案して、私達が先程街で購入してきました』
ユウ『..そう、ですか』
ロロが絡んでいるという点で受け取るか一瞬迷ったユウだったが、他の生徒会メンバーの手前、受け取らないわけにもいかず、軽く礼を告げてバスケットを受け取った
?『それでは、失礼します』
去っていく姿を見送りパタンと閉じると、なんだなんだと寄ってくるグリムと共に再びベットに腰を下ろした
グリム『何貰ったんだ?』
ユウ『葡萄だよ。今回のお詫びにどうぞだってさ..生徒会長からの』
グリム『ふなぁ〜♪すげえ美味そうなんだゾ!またこいつを食べられるなん..ロロからなのか?』
ユウ『そう』
グリム『なんか裏がありそうで怖ぇんだゾ』
ロロと聞いた瞬間、上がっていたテンションが一気に急降下して目の前の葡萄に警戒心を持ち始めた
『でも、魔法の匂いはしないし普通の葡萄だよ。ねぇユウ、食べたい』
ユウ『分かった。でも食べる前にちょっと洗ってくるね』
グリム『え〜、今すぐ食いたいんだゾ!』
ユウ『ちょっと土とか着いてるからそれだけ洗ってくる。グリムはここでと一緒に待ってて』
頼んだよ、とグリムを一撫ですると少し離れた所にある給湯室へと向かうために部屋を出ていった
『よし、今のうちに』
グリム『こら、ユウにダメって言われたんだろ?大人しくしてるんだゾ』
『ぅぅ..』
コンコン..
グリム『ん?また誰か来たんだゾ。仕方ねぇ、オレ様が出てやる』
再び鳴ったノック音に今度はグリムがベットから飛び降り、背伸びでドアノブを押して開けた
グリム『誰なんだゾ..ってお前!!』