第4章 *グロリアスマスカレード*
それからユウも入浴を済ませベットに戻ると、相棒はいつの間にか大の字で寝息をたて、は律儀にベットの上で眠たげに船を漕ぎながら待っていた
ユウ『先に寝ててよかったのに』
『ゃ..ユウと、一緒に、ね..る..』
ユウ『ふふ、もう殆ど寝かけてるよ。でも待っててくれてありがとう』
眠るグリムを抱え隣の空きのベットへと寝かしつけると、の待つベットに乗り込み一緒に布団の中へと潜る
ユウ『いっぱい疲れたね。もう怖いことは起きないから、安心しておやすみ』
『ん..ユウ、ギュッてして』
言われるままに優しく抱きしめると、グリグリと胸に額を擦りつけて甘えられた後、くぐもった声で"おやすみ"と聞こえた
ユウ『おやすみ』
ようやく訪れた静かで穏やかな時間に疲れが一気に溢れ出し、ユウもすぐに夢の中へと誘われていった
昼頃
ユウ『だからダメだって言ってるでしょ』
『や!私もみんなとお出かけしたい』
目覚めてからずっと目の前で繰り広げられる同じやり取りにグリムはため息をついた
夜明けに眠りについたことでお昼すぎまでぐっすり眠った3人は、舞踏会までの時間をどう過ごすかを考えていた
夜通し戦ったというのに、アズールなどの先輩たちは昼から花の街の観光に出かけているという情報を聞き、昨日回りきれなかったところへ行きたいとは申し出たのだが、あっさりとユウに却下されたのだ
ユウ『は怪我も酷いし魔力だってカラカラでしょ?今日は夜まで出歩かずにここで大人しくしてて』
『お薬飲んだし大丈夫だもん。街に行きたいよ』
ユウ『僕も一緒にいるから、ね?』
『や!』
ユウ『(ガーン!)ぼ、僕と一緒は、い、嫌でごんすか?』
グリム『(ごんす?)』
『ユウと一緒にお出かけしたいの』
ユウ『(パァァァ!)そっかぁ〜♪はっ!ダメダメ流されるところだった。それでもダメ。ゆっくり体を休めないと』
『むぅ..』
どうしても首を縦に振ろうとしないユウに段々苛立ちが募り、頬を膨らませて体育座りで拗ねたように顔を膝に埋めた
その時、コンコンと控えめに部屋のドアがノックされ、全員の視線が一気にドアへと集中した