第4章 *グロリアスマスカレード*
抱きしめる腕の力が少し強まり、優しい声が耳を心地よくくすぐる。大好きな人の匂いと温もりに次第に体から力が抜け始め、ユウの肩に寄りかかるように体を預けた
『あ、ごめん。髪まだ乾いてない』
ユウ『あはは、いいよ。じゃあこうしようか』
こっち体向けて、とを自分と向かい合わせにすると、優しく抱き寄せてそのままドライヤーをつけて乾かしを再開させた
ユウ『はい、出来たよ。じゃあ最後はこれ飲んでね』
サイドテーブルに置かれた小瓶を手に取ると、途端にの顔が曇り始める。それは、この部屋に来る前にノーブルベルカレッジの魔法医術士から配布された回復魔法薬だった
『苦い?』
ユウ『多分ね』
『だったら、や』
ユウ『だーめ。いっぱい怪我してるし魔力もカラカラでしょ?夜の舞踏会に出たかったら、これ飲んでゆっくり安静にしないと』
『むぅ..』
片頬を膨らませながらそれでも拒否の態度を取るにため息をつくと、ビンのフタを開けながらある提案を投げかけた
ユウ『じゃあ、僕がここで飲ませてあげる。それならいい?』
自身の口を指さしながらにっこりと微笑むと、意図を理解したの頬がほんのりと赤くなる
『..ん、それなら..//』
ユウ『ふふ、じゃあベットに横になって』
グリム『オメーただ単にとキスしたいだけじゃねーのか?』
ユウ『わっ、グリムもうあがったの?ちゃんと体拭いて乾かしておいでよ。てかいいじゃん。今日頑張った自分へのご褒美みたいなもんだから』
グリム『へーへー』
呆れたように風呂場へと戻っていくグリムを見届け、ユウは気を取り直して寝転がるの頬を撫でた
ユウ『口、開けて』
『ん..ぁ..』
ユウ『良い子』
瓶の液体を一気に口に含むと、従順に開けた小さな口を塞ぎ少しずつ流し込んでいく
『んっ..ぅ"..』
広がる苦味に眉をひそめる姿に、あやすように頭を撫でたり指を絡ませたりしてやると、嫌がりながらコクコクと飲みだした
ユウ『っはあ..全部飲めたね』
『はぁ..ん..んむ..』
息を整える口をもう一度塞ぎ柔らかさと熱を貪る。小さな手が背中に回るのを感じながら、互いに甘い時を過ごしていった