第4章 *グロリアスマスカレード*
『わた、し?』
マレウス『ああ。お前がフランムを拘束してくれたおかげで、あいつに反撃されることなく一撃を食らわせることができた』
『でも、それができたのはツノ太郎がペンを投げてくれたから..だから、私は何も..』
マレウス『この僕が褒めているのだ。自信をもって堂々と誇れ』
マレウスの大きな手のひらが頬を撫でる。細めた瞳に愛おしさが滲み、鮮やかに輝いていた
『ん..』
マレウス『では僕は行く。おやすみ、3人とも』
ユウ『おやすみ』
『おやすみ、ツノ太郎』
『お風呂、あがった』
ユウ『はいお疲れ。じゃあそのままこっちにおいで、髪乾かしてあげるから』
グリム『オレ様も風呂入ってくるんだゾ』
ユウ『沈まないように気をつけてよね』
眠たげな目を擦りながら風呂場へと向かったグリムの背を見送ると、ドライヤーを片手にベットの上でを手招く。疲れ切った表情で寄ってくるに苦笑いするも、寝間着から見え隠れする擦り傷や打ち身、小さな火傷痕に痛ましそうに眉をひそめる
『ユウ?』
ユウ『!!あ、ごめんね。じゃあ乾かしていくからね』
ドライヤーのスイッチをオンにして耳を避けながら濡れた黒髪を乾かし始めた
ユウ『(、傷だらけだったな。多分服の下の方にも沢山あるんだ..あー自分が情けない。またこの子に痛くてツラい思いをさせちゃった)』
櫛で髪を梳きながら丁寧に乾かしていく。目の前の小さな体に、大きすぎる傷を背負わせてしまったことに歯痒くなり、スイッチをオフにして優しくその体を抱きしめた
『ユウ..?』
ユウ『ごめんね、痛い思いさせて。怖かったよね、苦しかったよね..僕が魔法を使えてたら、君を守れたかもしれないのに』
『..私こそ、ごめん。逃げてって言われたのに、鐘の人が犯人だって教えてくれたのに、無視してついて行って怪我した』
ユウ『そのことは本当に怒ってるんだよ。でも、ツノ太郎の言うことも納得してるんだ。怪我したことは凄く心配したけど、はみんなのためにあの人と戦ったんだよね。だから..ありがとう』