第4章 *グロリアスマスカレード*
輝石の国・ノーブルベルカレッジ
〔No side〕
『..ん..』
マレウス『起きたか。もうすぐでユウの部屋に到着するぞ。ユウが余りにも自分の部屋がいいと聞かなくてな』
ユウ『いいでしょ。それに、約束したからね』
『んむ..ツノ、たろ..あったかい』
横抱きにされていることで頬に伝わってくる、マレウスの鼓動と温もりが心地よく、は表情を緩ませ頬を擦り寄せる
マレウス『またお前は愛らしいことを..』
ユウ『ツノ太郎、顔ユルユルじゃん。まあ、可愛いのは分かるけど』
『ユ、ウ..あの、私..』
ユウ『お説教はお風呂入った後にじっくりしてあげるから』
『ぁぅ..』
グリム『ふあ〜あ..一晩中、花を毟ったり走ったりしたから、オレ様スゲー眠いんだゾ』
マレウス『ユウ、あまりを責めてやるな。逃げることよりもフランムと戦うことを選択した意思は尊ぶものだ』
ユウ『..分かってるよ』
マレウス『こいつの身を案じる気持ちは分かるが、生半可な覚悟で決めたわけではない。寮生の決断を認めてやるのも、寮の代表となる者の務めだ』
優しく諭すような言葉にむむむと唸ると、マレウスの腕の中から不安げに見つめてくるに手を伸ばして優しく頭を撫でた
ユウ『分かった分かった、怒らないよ。でも凄く心配したし、そんな傷だらけで帰ってくるなんて思わなかったから、いっぱい抱きしめて撫でさせてね』
『ん』
マレウス『ふっ....着いたぞ。ここがお前の部屋か?』
ユウ『うん、ここだよ』
マレウス『折角苦労して手に入れた姫君だが、お前に渡さねばな』
名残惜しそうにをユウの腕へと渡すと、3人の顔を順番に見つめて小さく安堵の息を漏らした
マレウス『お前たちが無事で何よりだ。夜の舞踏会まで半日しかないが、それまでゆっくりと体を休めるといい』
ユウ『そういうツノ太郎もゆっくり休んでね。あと、救いの鐘を鳴らしてくれてありがとう。僕らが無事だったのもツノ太郎や先輩たちのおかげだよ』
マレウス『いいや、僕らだけの力ではない。お前たち2人やトレインが街の人々の避難や花の駆除があってこそだ。
それに..、お前の手助けが最後の決め手だった』