第4章 *グロリアスマスカレード*
目の前に迫りくる炎の手が、まるでスローモーションのように次第に大きくなる。今再びあの手に捕らえられれば、今度こそ自分は助からない
『(また..捕まる)』
マレウス『っ!!』
『ツノた..』
マレウス『受け取れ!』
床から何かを拾い上げたマレウスが腕を振ってそれを投げた。くるくると回るそれを片手を伸ばしてしっかり受け取ると、握られていたのは紫の宝石が輝くのマジカルペンだった
『!!..こっちに、来ないで!!』
ロロ『がはっ..!』
へと伸ばされた手が、体が途中で止まる。ロロの行く手を阻止するように、体の至るところに闇の手が巻き付き、勢いよく床へと引き倒した
アズール『よし、今ならロロさんは動けません!』
イデア『氏、早く離れて!』
『分かっ..ぅっ..!』
アズール『!あれは、』
マレウス『紅蓮の花が、の足に絡みついている。このまま撃てばあいつまで巻き込んでしまう』
逃げようと足を踏み出すも、いつの間にか蔦を伸ばし足に絡ませていた紅蓮の花が大きく咲き出した。引き千切ろうにも、もうその手に力は入らず、意識を保っているので精一杯だった
ロロ『ふっ、このままお前は地獄の業火に焼かれてしまえ!』
『っ..ツノ太郎、撃って!』
マレウス『、なにを..』
『マレウス!!撃って!!』
普段から"ツノ太郎"とあだ名で呼ぶが、初めて己の真名を叫んだことに驚くと同時に彼女の真剣な想いが伝わり、マレウスは表情を引き締めると、杖を高く掲げ魔力を集中させる
マレウス『..分かった。そういうことだ、フランム。
これで終わりだ。
はあっ!!』
ロロ『ぐあああ!!』
『ーーーっ!』
轟音を上げてマレウスの放った何発もの雷がロロの頭上から降り注ぐ。近くで動けずにいるも巻き込み、辺りには土埃と煙が舞い上がった
マレウス『はぁ..はぁ..』
ロロ『なんて、力だ..この..怪物め..っ!』
吐き捨てるように恨み言を零すと、ロロはその場で倒れて動かなくなった。彼を拘束していた闇の手は既に消え、彼が倒れたことによって周りの炎もフワリと消えていった