第4章 *グロリアスマスカレード*
『はな、して..っ!』
ロロ『暴れるな。この細い首を焼かれたくなければ大人しくしていろ。ふっ、それにしてもお前は恐怖に怯える顔が1番美しいな。見るがいい、お前の恐れで私の炎は一層強く燃え上がったぞ』
逃げ出そうとする体をしっかり捕らえると、白く細い首を軽く片手で掴む。自身の炎が勢いをあげる様子にロロは勝ち誇った笑みを浮かべた
首を掴まれた事による息苦しさと炎の熱さに耐えながら、涙が滲む視界でマレウス達へと目を向ける
『(熱い、痛い、苦しい..
早く、この人から離れないと。少しでも私が離れれば、そうすればツノ太郎たちが何とかしてくれるはず)』
アズール『マレウスさん、一刻も早くさんを引き離さないと!加減しているとはいえ、炎の手に長時間触れられたら、火傷どころでは済まない!』
マレウス『ああ、分かっている..(どうにか二人を離せないか。少しでいい、少しでも距離が離れれば..)』
『ぅ"..っ..あ、つい..』
マレウス『っ!!』
服越しに伝わる熱に苦しげな声が漏れる。強い魔力に引き寄せられ周囲に咲き誇る紅蓮の花が徐々に意識を奪っていく
足に力が入らなくなり、自身を捕まえているロロの腕に支えられなければ、まっすぐ立つこともできなくなっていた
『(クラクラする..早く、逃げ、ないと..)』
マレウス『!!』
ロロ『どうした?..ついに力尽きたか』
ガクッと頭を下げ俯くに、とうとう魔力と体力が尽きたのだとニヤリとした笑みを浮かべて顔を覗き込む。すると、小さな唇が僅かに動いていることに気づきそっと耳を済ませた
『..がい..』
ロロ『?』
『おね、がい..あつい..くるしいよ..
助けて..
助けて..
お兄、さま』
ロロ『!!!』
『っ!!(今だ!)』
目を見開いて驚くロロに一瞬の腕の緩みが生まれた。その隙をつき両手でドンと押しのける
ロロ『お前ぇぇっ!!』
マレウス『(まずい、このままではまた掴まれる!
!!あれは..)』
炎の手が再び伸ばされる。まだ十分な距離をとれていないことに焦るマレウスの視界の横で、ふと何かがキラリと光った