第4章 *グロリアスマスカレード*
ズレたメガネをクイッと上げると、ペンに魔力を集約させていく。先程まで花に奪われ続けていたとは思えないほどの強力な魔力がアズールから溢れ出す
アズール『.."落とし前をつけてもらう"』
マレウス『!?』
ロロ『な、なんだその強力な魔力は..どこにそんな力が残っていたというのだ!』
『あの言葉、この状況..やっぱりあの魔法って』
アズール『"歯ぁ食いしばれ!
しっぺ返し(ベット・ザ・リミット)!!"』
ロロ『ぐああああーーー!!!』
放たれた魔法は先程の何倍もの炎へと膨れ上がり、真っ直ぐにロロへと直撃した。防ぎきれず後方に吹き飛ばされた体でヨロヨロと立ち上がると信じられないといった表情でアズールを睨む
ロロ『ぐうっ..なぜ..一体、どうやって!』
ガクッとその場で倒れたロロに、アズールは勝ち誇った笑みで見下ろした
マレウス『さっきと同じ..いや、それ以上の炎がアーシェングロットから放たれた!』
アズール『あーーはっはっは!馬鹿め、油断したな!?これまでの恨みをたーっぷり込めたとっておきのプレゼント..しっかり味わってください。
..おや残念。もう聞こえていないようですねぇ!?』
『アズさん、言い方。あと悪い顔..でも、んふふ..そっか。デュースのユニーク魔法を交換したんだ。アズさんの黄金の契約書で』
アズールのユニーク魔法である黄金の契約書の効果を知っているは、恐らくここに来る途中でデュースのユニーク魔法を借りてきたのだと察した
相手から受けた魔法を糧に倍にして跳ね返す。ここぞというときの逆転の一手である一方、かなりリスキーな魔法ではあることも知っていた。しかし、状況を冷静な判断で見ることができるアズールならば、しっぺ返しを有効に扱うことができることも分かっていた
マレウス『ともかく、だ。フランムが気を失っているうちに、の救出と救いの鐘を..』
『(そろそろ、私も起きないと..ぅぅ..お腹も体も痛い)』
こちらへ歩きだそうとしてくる足音に、立ち上がろうと腕に力を込めて起き上がろうとするが、消耗した体力と魔力、腹と耳の痛みに中々立ち上がることができないでいた
ロロ『うっ!ぐうっ..まだ、だ..!』