第4章 *グロリアスマスカレード*
〔No side〕
イデア『ただ駄々をこねてるだけなのに、それを弟のためだとか世界のためだとか綺麗事言っちゃって..
ッハァ!!ちゃんちゃらおかしいっすわ!』
ロロ『黙れ..黙れ、黙れ黙れ黙れ!!悪いのは私じゃない..私じゃない!私じゃないいいーーー!!!』
激昂が限界を超え、部屋を埋め尽くす程の巨大な炎が降り注ぐ。とんでもないほどの熱がマレウスたちへと迫りくる
アズール『2人とも下がって!!』
2人の前へと飛び出してきたアズールがそのまま炎の中へと飛び込み、激しい衝撃音と共に立ち込める煙に包まれた
マレウス『アーシェングロット!!』
『(アズ、さん..?)』
ただでさえ自分たちを囲むようにして咲く紅蓮の花に吸われ続けて、魔力も気力もギリギリだというのに、なんの防御魔法も展開せずに単身で突っ込んでいったアズールが無事だと思えず、の頭に最悪の光景が過ぎる
ロロ『は..はは、はは..はははは!これは驚きだ。アズールくんが、襲いかかる炎をあえてその身で受けるとは!』
ロロの高らかな笑いが響き、マレウスは自分たちを庇って炎に飛び込んだアズールに"すまない"と目を伏せた
イデア『マレウス氏..うそでしょ。もしかして、アズール氏が自分を庇ってくれたなんて本気で思ってる?』
『『『えっ?/なに?』』』
イデア『あの無類の守銭奴、ドケチの化身、姑息で強欲であこぎなアズール・アーシェングロットが、無条件で自分を犠牲にするような真似、するわけないじゃん』
小馬鹿にしたような、それでもアズールへの確かな信頼を込めて悪い笑みを浮かべる。すると、外から吹く風が煙を晴らしていき、その中心には同じく悪い笑みを浮かべてペンを構えるアズールの姿があった
アズール『..ふふ、ふふふ。はーーはっはっはぁ!!!
待っていましたよ..この時をねぇ!!』
『アズさん..良かった。でも、どうして..あれ?』
スンスンと匂いを嗅ぐと、煙の匂いに混じってこの場にいないはずの人物の魔力が漂ってきた
『(これって、デュースの..)』
ロロ『な、なにっ!今の魔法を受け止めただと!?』
マレウス『アーシェングロット..無事だったか』
アズール『当然です。僕を後先考えないどこかの1年生と一緒にしないで下さい』