第4章 *グロリアスマスカレード*
さっきまで楽しそうだった声が小さくなってる。お顔は見えないけど、凄く悲しそうっていうのは分かった
?『僕の魔法は暴走した。大きくしようといっぱい力を込めて出した魔法は、花火じゃなくて激しい炎だった。すぐに消そうとしたんだけど、力が抑えられなくて炎はどんどん大きく激しさを増して僕を包んだ』
『その"お兄さま"は魔法使えなかったから、どうしていいか分かんなかったんだ』
?『うん。必死に僕を助けようとしてくれたけど、火の魔法が強すぎて..助けが来たときには僕は、もう..』
『..恨んでる?』
?『ううん、お兄さまを恨むなんて絶対ない。お兄さまだけじゃない、誰のことも恨んでないんだ。ただ、僕のことでお兄さまが危ないことをして、みんなに迷惑をかけるんじゃないかって事が気がかりだったんだ。
その不安は当たったんだけど..』
やっぱりこの子..てことは、この子の"お兄さま"って
『鐘の人..止めないと』
?『うん、どうか君たちでお兄さまを止めてほしいんだ。僕のせいであんな風になっちゃったけど、本当はすごく優しくて温かい人なんだ』
『...』
?『お願い..』
ホントに鐘の人が大好きなんだ。見えないはずなのに泣いてる気がする..
『..私は、
私は、良い子じゃない。優しくない。鐘の人に痛いことされて、大切なみんなを傷つけられてすごく怒ってるの。そんな人を助けるのは..はっきり言って、やなの』
?『..うん』
『だから、私は大切な人たちを守るためにあの人と戦う。それで、あの人のしようとしてることを止める。そうすれば、勝手にあの人のことも助けることになる、かな?』
?『!!』
『それでもいい?』
?『っ、うん!ありがとう、兎のお姉ちゃん』
『じゃあ、行くね』
あの子の後ろで何かが光ってる。多分、あれで帰れるんだ。あの子の横を過ぎて光に歩いてくと、途中で光が眩しくて目を閉じた
ノーブルベルカレッジ・鐘楼最上階
イデア『君のやってることはぜーんぶ、八つ当たり。人生が自分の思い通りの展開にならなかったからって、ヤケクソになって暴れまくっちゃってさ』
お月様の声..
魔力の匂い..これは、ツノ太郎とアズさん?
起き、ないと..