第4章 *グロリアスマスカレード*
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ここ、どこだろう..?
真っ白で、広くて、何もない
いつものノアのいるところじゃない。前も横も後ろも真っ白ですごく静か
私、確か鐘の人と戦ってて..怖いことを思い出して..
?『お兄さま、見て!』
『?..声が』
少し遠いけどはっきり聞こえた。小走りで声の方へ行ってみると、モヤモヤで誰かは分からないけど、ちっちゃい子が2人いて、1番ちっちゃい子が手を前に出すと、そこから花火が出てキラキラしてた
『あの子、魔法が使えるんだ..』
?『火花がキラキラしてる..面白い!魔法ってすごいね!』
?『わぁ..すごい、綺麗だ。ーーは凄いな』
頭を撫でられて嬉しそうにしてる。お兄さま、ってことはこの二人は兄弟なのかな?
?『お兄さま、ぼくもっと魔法を使いたい!それでもっと楽しい魔法を、お兄さまに見せてあげるね!色んな魔法を出せるようになって、お兄さまをいっぱい、いーっぱい驚かせて楽しませるの!』
?『ーー..ありがとう。お兄さまは、お前の魔法が大好きだ』
あの二人、凄く仲良し。見てると私まで温かい気持ちになる
?『ーー!!ーー!!』
『!?』
なんで..?あの子が、燃えてる
お兄さんは助けようとしてるけど、熱いから近づけない。他に..誰か他にいないの?パパとかママとか、他の大人の人は?
?『だ、誰か助けて..誰かーーを助けてっ!!』
?『助けて、お兄さま!』
?『ーーっ!!!』
怖くて見てられなかった。あの子が火の中で苦しそうに叫ぶ声が耳を塞いでも入ってくる
『や..やめて..』
?『ごめんね、怖いものを見せちゃって』
『!!..誰?』
頭に聞こえてきた声に閉じてた目を開けて振り向くと、火に包まれたちっちゃい子が立ってた
もしかして..
『さっき魔法を使ってたのは、貴方?』
?『うん。僕は小さい時に火の魔法が使えるようになって、それをお兄さまによく見せてた。僕の魔法を見て喜ぶお兄さまの笑顔が大好きだったから。
最初は小さな花火しか出せなくて、もっと大きな花火とか別の魔法を見せて喜んでもらおうって..そう、思ってたんだけど』