第4章 *グロリアスマスカレード*
輝石の国・ノーブルベルカレッジ
〔No side〕
ユウ『はい到着。じゃあ、集合がかかってるから僕は行くね。すぐ戻るから、少し休んでて』
眠気に襲われ殆ど意識を手放しかけているをベッドに降ろすと、髪をサラリと撫でて額にキスを落とした
『ん、ぅぅ..』
ユウ『何かあったらスマホに連絡してね、いい?』
『ん』
ユウ『良い子』
『ユウ..』
ユウ『ん?なぁに』
『大好き』
ユウ『僕も大好きだよ』
甘えるようにユウの手のひらに擦り寄る。可愛らしい仕草に胸を高鳴らせながら、頬を撫で柔らかい唇にキスを落とす
ユウ『ここはの一人部屋だけど、後で僕の部屋で一緒に寝ようね』
『ん。嬉しい』
ユウ『もうが隣にいてくれないと眠れないからさ。じゃあ、良い子で待っててね』
最後にもう一度唇にキスすると、静かに部屋を後にした。残されたは一人きりの部屋に寂しさを感じるものの、ふあ..と欠伸1つして日中の疲れが後押し、夢の中へと引きずり込まれていった
ノーブルベルカレッジ・大講堂
ユウ『(って感じでとイチャイチャして気分良かったのにさあ..どうなってんのこれ!?)』
辺り一面に広がった、炎の様な揺らめきで咲き誇る大量の花が煌々と燃え上がる
生徒会からの呼び出しで、ユウたちやロイヤルソードアカデミーなどの生徒たちは、呼び出した張本人のロロの訪れを待っていた
すると、本来なら鳴るはずのない4度目の救いの鐘の音が鳴った。それに疑問を抱くも束の間、突然咲き始めた炎の花に触れた生徒、そして近づいた生徒が次々に意識を失い倒れ始めたのだ
その影響はナイトレイブンカレッジの生徒たちにも及び、あの世界屈指の魔力を持つマレウスまでもが花に囲われるやいなや、冷や汗と共にその場で膝をついた
魔法で反撃するも魔力自体を吸い込まれ、花は増殖の勢いを強める。しかし何故かユウだけは花に狙われず、マジカルペンを仕舞うと花の勢いが弱まった。そんな特性に思い当たる節があったトレインは、それが既に絶滅したとされる"紅蓮の花"だと告げた