第4章 *グロリアスマスカレード*
ロロ『時にユウくん。先程彼女とも話していたが、魔法は厄介なものだと思わないかね?君は魔法が使えないと聞いた。毎日魔法士たちに苦労させられていないか?魔法などなくなればいいと思ったことはないか?』
ユウ『ん〜..確かに毎日ドタバタしてて大変ですけど、魔法の騒がしさには慣れましたし、何より魔法のある毎日は楽しいですよ』
ロロ『君も楽しいと言うのか?この馬鹿騒ぎを』
ユウ『ええ、まあ』
『ん』
ロロ『..ああ、なんと嘆かわしいことだ。君たちもすっかり周囲の魔法士たちに毒されているようだ。いずれ分かるよ、魔法などもてはやされるようなものではないと』
ユウ『ロロ、さん?』
その瞳に憎悪にも似た色がぐにゃりと混ざり合い、ユウとは若干の寒気を覚えロロを凝視した
するとそれを裂くような特大の花火かあがり、打ち上げ主のグリムが楽しそうに飛び跳ねていた
ユウ『あ、僕らそろそろ行きますね』
ロロ『..ああ』
ユウ『じゃあ、失礼しまーす』
『鐘の人、またね』
ユウに手を引かれ人混みに戻っていく姿を、ロロは顔をしかめて見つめていた
ロロ『愚かな魔法士どもめ..』
やがて日も暮れて祭りの終わりを告げる鐘の音が響いた。全体の士気を盛り上げていた道化師から終わりの宣言がされると、人々は散り散りになり店の片付けや宿泊施設へと戻っていく
『楽しかった』
エペル『はあ〜〜笑った、笑った。笑いすぎて、頬が痛いくらいだよ』
デュース『街の人達が喜んでくれたし、いいお祭りだったなぁ』
『ん..ふあ..』
エペル『え、もしかしてチャン、眠いの?』
ユウ『あー、今日かなり歩いたし踊ったから疲れちゃったんだね』
ジャミル『腹いっぱい食べた後にも眠くなっていたし、やっぱり幼い子供っぽいところがあるな』
マレウス『お前も幼い子供だろう』
ジャミル『そういうのはいいです』
『眠い..でも、起きないと』
目を擦りながらフラフラとユウの肩にもたれ掛かる。何とか起きようとしてはいるが、重たい瞼が重力に従い落ちていく
ユウ『よしよし。先生、少しの間寝かせてあげてもいいですか?』
トレイン『..仕方ないな。ならば早くノーブルベルカレッジに戻ろう』