第4章 *グロリアスマスカレード*
『ううん。すぐそこで座ってるだけだから大丈夫。ユウはグリムが危ないことしないか見ててあげて』
ユウ『分かったよ。何かあったらすぐに言うんだよ』
『ん』
心配そうに見つめるユウに背を向けるとダンスの輪から外れていった
周りがダンスに夢中になっているおかげか、ベンチには空席がいくつかできていた。は足を休めるために近くのベンチに座ろうと歩きだした
『わ、わわわっ!!』
突然、つま先が何かにぶつかりバランスを崩し、前のめりに体が倒れていく。目を強く閉じて衝撃に耐えようとすると、力強く温かいものに包まれる感覚に、そっと目を開いた
ロロ『っと、大丈夫かね?』
『ぁ、だ、大丈夫』
ロロ『転びそうになった君を助けたのはこれで2回目だ。君は思った以上に危なっかしいね』
『ごめん』
ロロ『確かにこの街の地面は石畳で出来ているから、僅かな隙間や段差が躓きやすいかもしれない。十分に気をつけて歩きたまえ』
『ん』
ロロ『では僕は行くよ』
『待って..あ、痛た..っ』
背を向け去ろうとするロロを引き留めようと、足を踏み出した瞬間、擦れるような痛みが足に響きその場で膝をついた
ロロ『!どうしたのかね』
『ぁぅ..足、痛い』
突然膝をついたに驚き慌てた様子で近寄ると、足を抑えていることに気がついた。"失礼、触るよ"とことわりを入れてそっと抑える手を退かして見てみると、アキレス腱が靴ずれで赤く擦れ上がっていた
ロロ『慣れない靴で長時間歩いたせいで擦れてしまっているね。衣装提供した側として謝罪しよう、配慮が足らず申し訳ない』
『ううん、鐘の人は悪くない。私が調子に乗って歩き回ったり踊ってたりしたから』
ロロ『鐘の人?それは、私のことかね?』
『ん』
ロロ『..そうか。それより、今は君の手当てが先決だ。近くの店から絆創膏でも貰ってこよう。とにかく場所を移そう、立てるかい?』
『頑張る..ぃっ..』
何とか立ち上がるも足を動かすだけで走る痛みに顔をしかめる。すると、ロロは一瞬だけ眉をひそめると足早に近づきひょいとを横抱きにした