第4章 *グロリアスマスカレード*
激しくも鮮やかなダンスに目を奪われていると、タンバリンの音と共に辺りに光るものが舞っていることに気づく
ロロ『あれは魔法の火花だ』
マレウス『ほう。では舞台の上で踊っている人間たちは、全員魔法士なのか?』
ロロ『いいや、彼らの半数以上は魔法士ではない。火花は魔法道具のおかげだ。この逆さま祭りの日は、魔法士と協力して作った魔法道具のタンバリンを使い..誰でもあのように魔法を使えるようにするのが習わしなのだ』
小さな火花のみの魔法に、もっと派手で大きな魔法を出すなりタンバリンを改良するなりすればいいのにと溢すマレウスたちに、トレインは古くからの伝統だからこそ良いのだと嗜める
ロロ『祭りなど、魔法に溺れる恥知らずな者どもの集まりだ..』
マレウス『ん?フランム、なにか言ったか?』
アズール『申し訳ありません。お祭りの歓声でよく聞こえませんでした』
ロロ『なんでもない。実際に祭りを見れば勉強になるだろう』
?『さあ、会場のみんなも一緒に踊りましょう!』
司会の掛け声で参加者たちが次々に踊り子たちに混じって踊りだす。突然始まったダンスに拒否を示すイデアだったが
ユウ『ほらツノ太郎の圧が怖いんで行きますよ』
『お月様も一緒に踊ろ』
イデア『ひ、ひぃぃい〜〜..』
軽快な音楽とともに広場では参加者たちが思い思いのダンスを踊っていた。嫌がっていたイデアも強制参加させられあれよあれよと人並みに揉まれていき、他のメンバーも自由に踊っていた
『んふふ』
ユウ『楽しい?』
『ん!』
デュース『今日のはかなりご機嫌だな』
リドル『耳や尻尾を隠すという負担はあるけど、それでも自由に観光して笑って踊れるのは、彼女にとってとても嬉しいことなのだろうね』
マレウス『(が酷く喜んでいる。あんなにも笑顔を見せられると、こちらまで嬉しくなるな)』
〜暫くして〜
グリム『にゃはははっ、みんなオレ様に見惚れてやがる。もっともっと盛り上がるんだゾ〜〜!』
踊る人々の中心でクルクルと回るグリムは、動物が踊っているという物珍しさから周りの注目を集めていた
ユウ『楽しそうだね』
『ふぅ..ちょっと向こう行ってる』
ユウ『疲れちゃった?僕もついて行くよ』