第4章 *グロリアスマスカレード*
花の街・逆さま祭り会場
祭り会場の広場にたどり着くと、先程巡っていた町並みよりも更に華やかな装飾が施されていた。色とりどりのフラッグや大小様々なテント、着飾った多くの人々で溢れかえっていた
『わ..キラキラ』
ユウ『人もいっぱいだね。帽子、ちゃんと深く被ってて』
『ん』
グリム『ここが待ち合わせ場所の広場か?みんなちゃんと集まってんだろーな』
疑いの瞳で辺りを見渡していると、少し離れた場所にこの人混みの中でも一等目立つ集団が立っていた
『あ、いたよ』
ユウ『割と揃ってるね』
トレイン『では向かうとしよう』
マレウス『ここにいたのだな』
『ツノ太郎』
集団の元へと歩いていると後方からリドルたちを連れたマレウスが現れ、当たり前のように自然な流れでの横へと並び歩く
『楽しかった?』
マレウス『ああ。実に興味深くて良い経験になった。後程お前たちにも聞かせてやろう』
『んふふ、楽しみ』
ユウ『ありがとー』
アズール『おや、全員遅刻もなく集合できるとは、珍しいこともあったものです』
イデア『うっ..みんな遅いよ..待ってる間余りの人混みに酔ったんですが..』
トレイン『ここは祭りの中心となる広場だからな。飾り付けも盛大だろう?ステージではメインのショーが行われる予定だ。そもそもこの祭りは輝石の国の中でも有数の歴史を持ち、その起源は魔法元年よりも前に遡ると言われ..』
まるで普段の魔法史の授業のような長々とした説明が始まると、げっそりしたり嬉々として聴講しようとする者と極端な反応を示した
一方聞く気のないグリムは広場の中心に立つ、一際大きく華やかなテントを指さした
グリム『正面にある一番でけーテントが、ステージか?他にもちっちぇーテントがいくつもあるんだゾ』
イデア『小さいテントでは、出し物とか色々やってたよ』
『...』
ラギー『ちゃん、退屈っすよね』
『ちゃんと聞かなきゃって分かってるんだけど、なんか眠くなっちゃう』
ラギー『聞こうとしてる時点でマジメちゃんすよ。ホントは見て回りたいでしょ?』
『ん』
ラギー『オレに任せといて』