第4章 *グロリアスマスカレード*
だから気にするな、と輝く黄緑の燐光が優しく二人に注がれる。そんな彼の優しさに笑みを浮かべると、は自身を挟んで歩くマレウスとユウの手それぞれ握った
『『!!』』
『んふふ、いいでしょ?』
マレウス『ああ(なんとも小さく細い手だ。やはり、僕が守ってやらねばな)』
ユウ『勿論だよ』
セベク『なっ..人間っ!!マレウス様に護衛をさせてその上、手を繋ぐなど..っ!』
『うるさい』
マレウス『セベク、声を落とせ。の聴力を考えろと前にも忠告したはずだ』
鋭い視線に射抜かれ、セベクは声をつまらせると勢いよく頭を下げた
セベク『も、申し訳ありません!!』
マレウス『それに、これは僕自身がしたいと思ったことをしているだけだ。誰に強制されたわけじゃない』
セベク『はっ!!』
花の街・地下水路
トレイン『着いたぞ、ここだ』
トレインに連れられ辿り着いたのは、花の街とノーブルベルカレッジを繋ぐ大きな橋の下に作られた地下水路だった
ジャミル『こんな道が地下にあったなんて、橋の上から見たときには気づきませんでした』
トレイン『ここは地下水路の入口だ。花の街の心の拠り所は、フランムくんの言うとおり救いの鐘だ。しかし発展は、この水路と共にあったと言っても過言ではない』
リドル『ボクも本で読みました。ソレイユ川の水を街全体で利用するためのものだとか』
トレイン『そうだ。しかし用途はそれだけに限らない。さて問題だ。川の水を運ぶ以外に、この水路はどのように利用されていたか』
リドル『はい!それは..』
トレインからの問題に真っ先に手を挙げて答えようとするが、そんなリドルをジャミルとマレウスが引き止める。予習してきた自分たちが答えても面白くない、とのことでその矛先はセベクへと向けられた
マレウス『セベク。お前はどう思う?』
セベク『えっ、ぼ、僕ですか?若様の御前だ..絶対に絶対に絶対に正解したい..!』
何が何でもマレウスの前で優秀であることを示したいのか、即座にトレインにヒントを聞くという潔さを見せ、更にはジャミルからの助言のおかげで、1つの予測が頭に浮かんできた
セベク『この水路..昔は人が隠れるのに使われていたのではないか!?』