第4章 *グロリアスマスカレード*
ラギー『..ちゃん。耳、キツいっすか?』
『ん..ゴワゴワする。尻尾も押さえつけてて、なんかムズムズしてる』
ラギー『そうっすよね。耳穴のない帽子被るのって、ずっと耳に布を巻き付けられてるのと一緒っすから』
ルーク『ああ、愛らしい兎の君。君の悲しげな顔は美しいが、同時に私達の心を酷く締め付ける。どうにか、その憂いを晴らせないだろうか』
同じ獣人であるラギーと、それに理解のあるルークは互いに心配そうに目の前の兎を見下ろす。ほんの少しの間でも解放してやれないかと思考を巡らせる
そうしていると、イデアの案内によって先程購入したというジュースの露店にたどり着いた
イデア『ええっと..葡萄を丸ごと買って食べるか、この場で絞ってジュースにするか。え、選べるんだって。生で食べても、飲み物にしても、落ちた一粒さえ拾いたくなる、花の街の贈り物ーーって看板に書いてあるでしょ』
ラギー『とりあえず葡萄食べてリラックスしよっか』
『ん』
ルーク『丸かじりかジュースか..君はジュースかい?』
『どうして分かるの?』
ルーク『なんとなく。今の君ならジュースを選ぶと思っただけさ』
『んふふ、スゴイね』
ユウ『じゃあ僕は丸かじりにしようかな』
トレイン『私が払ってやりたいのは山々だが、立場上一部の生徒にだけ振る舞うわけにはいかない。学園長にもらったお小遣いを慎重に使うんだぞ』
ルーク『グリムくん、遠慮することはないよ。可愛い後輩たちの分は私が支払おう』
ラギー『えっ、マジすか!やりぃ〜!ルークさん最高っす』
イデア『えっ。じゃ、じゃじゃじゃじゃあ、拙者も払います』
おずおずと手を挙げると、ルークはメルシーと言って二人で露店へ勘定をしに歩きだす。タダで美味しいものが食べられることにウキウキしながらグリムは二人の後を追っていった。一方、残ったシルバーとユウは二人の好意に軽く頭を下げた
『...』
ユウ『帽子、少し上にあげようか?』
『ん』
ユウ『分かったよ。すみません、先輩がた。少し壁になってくれませんか?』
『『壁?』』
突然の申し出にラギーとシルバーは首を傾げる。だが、すぐに意図を察したラギーはすぐにの前へと向かう