第1章 *ハッピービーンズデー*
コロシアム
『捕まえた!』
?『うわぁぁ!!』
『こっちも!』
?『ぐえっ!』
『ジャック、そっち逃げた!』
ジャック『分かった!おらっ、逃げてんじゃねぇ!!』
?『ぎゃああっ!!』
コロシアムへたどり着いた3人は、竪琴を奪還しようと現れた農民チームを次々と確保した
フィジカルで圧倒的な強さを見せるジャックと、相手の不意をつき素早いムチ使いで捕縛していくのコンビはとても息の合ったもので、農民チームを確実に減らしていった
一方、傍らでゴーグルによる状況把握システムのスキャンをしていたアズールは、互いの残り人数を見て口元に笑みを浮かべる
アズール『怪物チームの残りは5人、農民チームの残りは4人。こちらの方が1人優勢ですね。さて、そろそろ"仕掛けて"きますね』
そんなアズールの元に、1つの影が走りよってきた
ルーク『努力の君!』
アズール『その呼び方は、ルークさんですね』
背後から聞き覚えのある呼び方に気づき、アズールはゆっくりと振り向いた
『あ、ルクさん』
ルーク『あぁ、兎の君!しなやかなムチを振りかざし、身軽に敵の懐へ飛び込み捕縛するその姿もとても美しい!!』
『あ、ありがと..』
ジャック『今のところ農民チームは来てねぇな。、少し休め』
『ん』
頬を伝う汗を袖で拭うと、ジャックとは近くの座席に腰掛け、一息入れることにした
少し離れたところではアズールとルークが情報交換をしており、はそんな姿を横目で見ながら、そっとジャックの肩に寄りかかった
ジャック『!!..どうした、流石に疲れたか?』
『ん。でも、すっごく楽しい』
ジャック『狩る側は楽しいよな』
『ん。ジャックも楽しそう』
ジャック『魔法抜きの、自分の体1つで勝負できるからな。正直、お前がここまで動けるなんて思わなかった』
『むぅ。私だって頑張れるもん』
ジャック『分かってる。今回のでお前のこと、改めてすげぇって思った』
『んふふ..最後まで楽しもうね』
ジャック『おう』
嬉しそうに耳を揺らすを愛おしげに見つめると、自身の肩に寄りかかった頭の上に、そっと頬を寄せた