第3章 *アリアーブ・ナーリヤ*
『もし、私にカッコ悪いところ見せる気がないなら..勿論受けるよね?カリムさんを理由に断るジャミさんはカッコ悪い』
ジャミル『!!』
『ね、カッコいいジャミさんを、見せて?』
優しく微笑まれ、ジャミルは胸をギュッと掴まれる感覚に陥り、同時に高鳴る胸を押さえながら、深呼吸の後大きく頷いた
ジャミル『ここまで言ってもらって、断るのはおかしいな。その名誉ある打ち上げ..俺が引き受けさせてもらいます。ドッカーーン!..と、派手に決めますよ!』
カリム『よし!花火大会の楽しみが、一つ増えた!楽しみだな~』
マレウス『..乾杯はしないのか?』
カリム『あ!確かに!マレウス、よく気づいてくれたぜ』
ケイト『うんうん。マレウスくんの覚えが早くて、ケイト先生は嬉しーよ♪それじゃあ、ジャミルくんの晴れ舞台を祝して..』
『『かんぱーい!!』』
再び彼らのグラスはカチンと音をたて、キラリと夕日に照らされて光った
ジャミル『、さっきはよくも挑発してくれたな』
『んふふ..ごめん』
ジャミル『いや、危うくお前にカッコ悪いところを見せる所だった。なあ..仕掛け花火が成功したら、褒めてくれるか?』
『勿論。いっぱい良い子良い子する』
暫くすると、辺りはすっかり日が落ちて漆黒の夜空にキラキラと星が瞬いていた
ジャミル『そろそろ花火が打ち上がる時間だ』
カリム『どうだ。絹の街は楽しいところだっただろ?』
ケイト『うん!たった1日のことだったけど、エモい体験ばかりだった!』
マレウス『旅をすることが、こんなに自由で素晴らしいことだとは知らなかったぞ。リリアにも礼を言わなくてはな』
グリム『ウマイもの沢山食って、腹一杯なんだゾ!こんなんなら毎日旅行がいい~』
トレイ『この伝統衣装を着られたことも、いい思い出になったな』
ドン!ドーーン!!!
旅の感想を話していると、遠くからドンという音が聞こえたと思うと、次の瞬間に体の奥底に響くような大きな音をたてて、漆黒の夜空に大輪の花が咲き乱れる
カリム『あっ!花火が始まったぞ!』
ケイト『うわ、すっごー!!』
トレイ『こんなに大きな花火を見たのは初めてだ!』