第3章 *アリアーブ・ナーリヤ*
花火大会の会場へ戻ると、花火を待つ人々で溢れ返り、空は更に茜色を増していた
トレイ『だいぶ日が沈んできたな。夕焼けで、空が真っ赤だ』
ケイト『こんな綺麗な夕日、見たことないかも..』
花火前の思わぬ絶景に目を細めながら、ゆっくりと沈んでいく夕日を眺める
『綺麗...』
『『『(/ちゃんの方が綺麗だけど..)』』』
本番が始まる前に、花火大会ならではのドリンクとして人気のあるミントレモネードを、折角なので全員で飲もうということになった
ケイト『待って待って、マレウスくん!こういう時は、みんなで乾杯するんだよ』
マレウス『乾杯?何かめでたいことでもあったのか?』
ケイト『みんなで花火大会を見られる!最高におめでたいじゃん?』
マレウス『..成る程な。一理ある』
ケイト『それじゃあ、みんな!ミントレモネードで..』
『『かんぱーい!!!』』
カチンとグラスのぶつかる音の後、一口飲むと口の中がスーっとするような感覚と、レモネードの旨味が一気に広がる
『美味しい..』
ユウ『美味しいね。さっぱりとしてるから、暑い日にはもってこいだ』
カリム『みんな、ザハブ市場はどうだった?』
トレイ『楽しかったよ。熱砂の国らしいお土産も買えたしな』
ケイト『ホント、ホント!リリアちゃん喜んでくれるかな~』
マレウス『僕も自分では買わないような服を手にいれることが出来た。リリアと着させてもらうことにする』
グリム『オレ様もランプとお菓子を沢山買ったんだゾ!』
ユウ『僕らもお土産のお菓子とか、自分達用のお土産も買えたしね』
『ん..ちょっと買いすぎた』
カリム『そうか!良い買い物ができたなら嬉しいぜ!』
?『いたいた!おーい、ジャミルくん!』
ミントレモネードを片手に談笑していると、先程の泥棒事件に巻き込まれた花火師が大きく手を振りながら、こちらへと駆けてくるのが見えた
カリム『お?花火師のおっちゃんだ。なんかあったのかな?』
ジャミル『ま、まさか、またトラブルが起きたのか?花火が打ち上げられないとか..!?』
?『ジャミルくん、さっきはありがとう』
ジャミル『いえ、別に大したことは..』