第3章 *アリアーブ・ナーリヤ*
『好き..』
カリム『うっ..//オレも、好き..』
『大好き』
カリム『ジャ、ジャミル~!どうしよう!!が可愛すぎておかしくなりそうだ!』
ジャミル『勝手におかしくなってろ。とはいえ、いつまでも抱きついているのを見るのは腹が立つ。、カリムから離れろ』
『むぅ..』
少し不貞腐れたように頬を膨らませ渋々離れる
ジャミル『さて、陽が落ち始めてきたな。もうすぐ花火の打ち上げ時間だ。会場へ移動するか』
気がつけば空は茜色に染まり始め、人の波も次第に少なくなってきているように思えた
グリム『うう..美味いもの食べ過ぎて、さすがにお腹いっぱいだ..このまま昼寝をしたい気分なんだゾ』
カリム『おいグリム!メインイベントはこれからだぜ!もうすぐ最高の花火が打ち上げるからな!』
?『おお。カリム様ではありませんか!』
突然カリムの前に初老の男性が現れ、深々と頭を下げた。すると、カリムはを輝かせながら快活な笑みを浮かべる
カリム『あっ、おっちゃん!久しぶり!みんな、このおっちゃんが、大会で打ち上げる花火を作ってる花火師たちの棟梁なんだ!物凄い技術を持った職人の中の職人で、この人がいないと花火が上がらないんだぜ!』
ジャミル『祭りの目玉とも言える特大花火は、毎年凄く話題になるんです』
カリム『去年も凄かったなぁ!音楽に合わせてでっかい花火がブワーッと上がって!ランプやスカラベの形をした変わったやつもあって、すげー面白かった!
なぁなぁ!今年はどんな花火で驚かせてくれるんだ?』
?『それは打ち上がってからのお楽しみ。今年は更に大きい物も用意しましたぞ。アジーム家からとにかくド派手にとオーダーされたからのう』
カリム『楽しみだな~!』
?『ああ、是非楽しみに..ん?』
突然、花火師が自身の服のポケットをポンポンと叩き、何かを探すような仕草をし始める
カリム『どうしたんだ、おっちゃん?服をパタパタ叩いて、汚れてたのか?』
?『な、ない!?大事なアレが!!アレがないと、花火を打ち上げられん!』
花火師は無くし物に気づくと顔を真っ青にして焦り始める
『『ええっ!?』』