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『IDOLISH7』世界で一番好きな人

第1章 プロローグ





話しながらも手は動かしながら作業を終える。


「一応私の仕事は終わりましたが」

「え?もう終わったの」

一時間前に積まれていた山の書類は既に片付けている。

「その書類もください。朝まで終わりません」

「うっ…うん。なんかごめん」

普段は万理さんの方が仕事が早いはずなんだけど、不調なんだろうか。


「って、今から何処かに行くの?」

「営業です」

「え?もう夜の十時だよ」

「夜の店に営業に行くんですよ」

今度のスポンサーになってもらう人が歌舞伎町で夜の店を何店舗も持っている人だ。

ショービジネスとしても成功させている人でもある。

「夜の帝王の活動時間は今からですから」

「ちょっ…」

「ちょっと行ってきます」

「待って…」

万理さんの書類をひったくり、私は通常のスーツを着てそのまま事務所を出て行った。



そして向かう先は夜蝶達が舞う夜の歌舞伎町。
クラブ街になっておりその一番奥にあるホストクラブでも名のなる店だ。


「今日も営業と行きますか」

ウィッグを外して本来の姿になって店に向かうと既に車が止まっていた。


赤のポルシェを見ると誰かなんて解りきっていた。


「来たか」

「少し遅かったな」


私の友人であり保護者的存在の二人もスーツで決めてる。

「さてと、今から仕事だ」

「本番だ」

「ええ」


二人にハイタッチをしながら気合を入れ、クラブエデンに乗り込んだのだった。




一時間後。
営業をかけ仕事をもぎ取ることができた。


「フッ、やったわ」

「この程度当然だ」

「ああ」

私達は上機嫌で仕事を得ることに成功した。

メイクボックスを片手に上機嫌な態度を取るのは。


神崎響也。
芸能界ではメイクアップアーチストとしては有名だ。


水無月律
ヘアメイクをさせれば彼に敵う者はないと言われており、かつてヘアーアレンジは勿論の事美容師としても最高レベルだった。


そして私は…


本業は仕立て屋だった。
デザイナーとしては勿論の事スタイリストとしても実績を上げている。


私達三人は盟友でもあるのだ。


「おい、お前のお目付け役が迎えに来ているぞ」

「え?」

「本当に過保護だよな」

店を出ようとすると律に止められる。


「ゲッ、万理さん」

何でこんな時間に来ているの!
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