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『IDOLISH7』世界で一番好きな人

第2章 第一章君が好き





二人の喧嘩は限りなく低次元だった。

「どっ、どうしましょう!」

「とにかく止め…」


一織君が珍しく狼狽え、紡さんも止めようとする前に。

「はいストップ」

「むぐ」

「もご!」


二人の口に運ばれるのはスコーンだった。

「まぁこれでも食べて落ち着いて」

甘い香りがするスコーンを頬張る二人は大人しくなった。

「お代わり」

「俺も」

「「「切り替え早っ!」」」


二人はスコーンを食べながら大人しくなった。

ある意味すごいな。
この二人は普段は理性的で大人だけど、子供のような喧嘩をすることがある。

そうなると手が付けられないんだけど、二人の手綱をしっかり握っている奏音君はすごい。


「なんて鮮やかな」

「奏音さんすごい。俺もできるかな」

「七瀬さんはされる我がですから無理ですね」

「何だよその言い方!」

何時も通りの光景に戻りながらも、二人が大人しくなるのは奏音君への信頼じゃないかな。

社長が言っていた通り二人は彼をとても信頼している。

環君のように複雑な家庭の事情がある子達にも接し方が上手いようにも見える。


「ファンタスティック。ビーストテイマーですね」

「おい、二人はモンスターかよ」

「OH、二人は猛獣です。さしずめカナデは彼等のテイマーです」

否定ができない。
二人が素直に言うことを聞く人なんてあまりいないような気がする。


「でも、奏音さんに恋人ができたら大変だよね」

「何を言い出すんです?七瀬さん」

え?恋人?

俺は過敏に反応してしまった。

「だって、奏音さんの恋人がいたらあの二人が半端な相手は認めなさそう」

「ありえる。絶対にそんじょそこらの女の子じゃ反対しそうだよな」

「安易に想像できそうだな」


え?

これってかなりまずかったりする?

奏音君は恋人がいるとは聞いたことがないけど。

もしかしてあの二人が邪魔していたんじゃ。

俺は今ここで重大な事に気づいた。

もし、万が一にだ。

奏音君が誰かと付き合う事になったら最大の難関はあの二人のような気がする。


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