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『IDOLISH7』世界で一番好きな人

第2章 第一章君が好き






現在アイドル候補生であるIDOLISH7はデビューはしていない。

デビューのお披露目が失敗に終わり七人一緒のデビューは先送りになった。

七人をデビューさせるだけの費用がないからだ。
けれど大手の芸能事務所に目を着けられた環と総五を先にデビューさせることで守る事は叶ったが。

この二人、中々問題が多い。
アンバランスな組み合わせ故に環は自由すぎて、壮五は気を使い過ぎてストレスで倒れそうだわ。


まぁ、最初から息ピッタリなんて無理だし。



そして今日も。

「待つんだ環君」

「もうそーちゃんうぜぇ!」


部屋から飛び出してきた環はそのままイライラしながら事務所に駆け込んで来た。

「おい環!お前が悪いぞ!」

「そうだぞ!謝れ」


環を追いかけて来たのは三月と陸だった。


「俺悪くねぇもん!奏!りっくんとみっきーが俺ばかり責める!俺悪くねぇもん!」

「四葉さん!いい加減にしてください!」

「奏音さん、タマを甘やかさないでくれよ…今日ばかりはダメだ」

珍しく大和まで怒っているけど、どうしたんだろう。

「環、冷蔵庫に王様プリンがあるだけど。一緒にお茶にしようか」


「「「奏音さん!!」」」


背後で皆が怒っているのが解るけど、環は理由なしに我儘を言ったりしない。

「食べる!」

「もうすぐ律が帰って来るから限定の王様プリンイチゴ味も買ってくれるよ」

「ほんとか!食べたい」

「じゃあ部屋を移動しようか」

ここじゃ外野が煩そうだから落ち着ける部屋に移動しようと思った。

「しばらく寮を借りますので」

「ちょっ…」


そのまま環の手を引き事務所を出て行き、律に連絡をした。


「おーい、買って来たぞ」

「りーちゃん!」

「ったく、寮に行くぞ」

空気を読んでくれた律は何も言わずに環の頭を撫でる。

ある意味、環の気持ちを一番理解できるのは律かもしれない。


「律さん!環は…」

「お前らも少しはこいつの身にもなってやれ。これじゃあ息が詰まる。環、とりあえず寮に行くぞ。お前のダンスを見せろ」

「うん…」

律はMezzoの振付師をしている。
その中でも環のダンサーとしての素質を一番に見抜いた。

だからこそ環の気持ちを理解できる。
環境もすごく似ているし。


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