第3章 Partner

私の通う学校はファッションの専門学校だけあって、学内コンペやファッションショーがほぼ毎月行われている。
コンペの参加資格は学校関係者であること。つまり入学時点で参加資格は手にしていることになる。
さらにその学内コンペで入賞すればショーへの参加資格が与えられるというわけだ。

ファッションショーは外部の人間も見に来ることが出来る。そのため有名なデザイナーや大手アパレルの採用担当者なんかがお忍びで来ていることもあり、そのまま採用ということもあるとか無いとか。
アパレルの世界で第一線で活躍したい者にとっては逃したくない機会なのだ。

ただし、暗黙のルールでコンペへの参加は早くとも1年生の後期からとなっているらしい。(というか製作期間を考えるとそれでもかなり無理をしないと厳しいスケジュールだ)

という話をガイダンスで聞いたのが昨日。



ここで簡単に学校の説明をさせて欲しい。
私の通う専門学校は服飾学科のみの単科学校だ。
1年次は一般教養も含めた基礎知識と基本技術の習得に務め、2年次でデザイン専攻と技術専攻に別れてさらに発展的な勉強をすることになっている。



さてコンペの話に戻るが、 デザイン専攻と技術専攻が組んで参加するのが一般的なのだそうだ。
稀に1人でデザインから製作まで全てをこなす超人もいるらしいが、先生の口ぶりからするとあまり推奨はしていないようだった。




そして今日。朝から何だか周りが妙にそわそわしていると思ったら、デザ専と技専がそれぞれ相方を探し始めているらしい。

どおりで自己紹介をする時に専攻どっち？と聞かれるわけだ。
せっかくガイダンス地獄から解放されて授業らしい授業になってきたところだというのに、ずっと値踏みされているような視線を感じて集中できる気がしない。