第2章 Reunited
「あの時の消しゴムの!」
「いやもっといい覚え方あったろ。」
反射的に飛び出した言葉に彼の鋭いツッコミが入る。
でもちょっと待って、そっちだってチョコのって言おうとしたの私気づいたからね?
「えーーーすごい!受かってたんですね!おめでとうございます!」
「それはお互い様ね。いやでもよかったワ、同高でここ来た奴いないし、周り女の子ばっかりでこっちから声掛けずらいし。」
「私もですよ!なんかもう初日にしてグループ出来てるし?その輪の中に入っていく勇気なんてないですもん。」
「今更だけどオレ三ツ谷隆。良かったら連絡先交換しようぜ?」
「もちろん!私、。」
「ああ、あとタメだろ?敬語もやめてさ。」
うん、と私が返事をする前に始業のチャイムが鳴って会話は一旦中断される。
ガイダンスは配布されたプリントをなぞるだけの、実に退屈なものだった。
来週はこれを持ってこい、課題の提出は守れ、テストは何回目と何回目に実施するーーー
それまでの疲れもあって何度も欠伸を噛み殺した。
つん、と肘に何かが当たる。
見ると三ツ谷くんが紙切れで私の肘をつついていた。
首を傾げながらメモを開くと、丁寧な字で書いてあったのは電話番号とメールアドレス。
右下に夜露死苦!と書いてあったのを見つけて小さく吹き出した。
私もプリントの端を切って電話番号とメールアドレスを走り書き、下には4649!と一緒に猫の絵を書いて彼に渡した。