第5章 Find a model

「あ、もしもし八戒？おう、元気だよ。オマエ今暇？これから出てこれるか？」

お相手は二つ返事で了承してくれたらしい。
とりあえず会って話そうと思って呼び出したワ、と三ツ谷くんは携帯を閉じた。



「オレの幼なじみみたいなやつなんだけどさ、スタイルは間違いなくいい。背高いし顔も小さいしどんなタイプの服でも映えるとは思う。ただその、人の好き嫌いが激しいというか…。女の人と話すのが得意じゃなくて」

だからさんに失礼な態度取るかもしれないから先に謝っとくな、と頭を下げられる。
いやいやいや背が高くてスタイルが良くて？顔も小さいの？
そんな素晴らしい人材に来て貰えるなら私にいくらでも失礼な態度取ってもらっていいわ！？




□




「タカちゃーん！」
「おう、八戒こっち！柚葉も悪いな急に呼び出して。」

手を振りながら現れたのは三ツ谷くんの話通り、スラッと背の高い男の子と、その男の子とよく似た顔の女の子。
坊主頭にバリアート、口元の傷跡でなんだか強面に見えるが、三ツ谷くんのこと名前を呼んだ時の笑顔がとてもチャーミングだった。


そんな彼はニコニコとテーブルに向かってきていたのだが、途中で私の姿を見つけるとピタリと足を止める。

「ねえまって、タカちゃん…その子…もしかして彼女！？彼女が出来たって報告のためにオレ呼んだ！？」
「違えよ、八戒うるせえ」