第5章 Find a model
三ツ谷くんにちょっと黙れ、と言われた八戒くんはシュンとして大人しく椅子に座る。
その様子はさながら叱られた子犬のようだ。
「オレさ、ファッションの専門学校行ったって言ったろ?」
「うん!おめでとう!デザイナーになるの夢だったもんね!」
「いやまだなってないけどな。それで、さんとペアで製作することになったんだけど」
「なんだぁ〜そっか!オレびっくりしちゃったもん、タカちゃんに呼ばれて行ったら女の子がいるとか初めてだったからさあ!」
「八戒うるさい、三ツ谷がまだ喋ってんだろ」
あ、八戒くん叩かれた。
この短時間だけど八戒くんと三ツ谷くんがすごく仲良しだってことは伝わってきた。特に八戒くん、三谷くんのこと大好き過ぎない?
三ツ谷くんの彼女に嫉妬してるじゃん…ご愁傷様です未来の三ツ谷くんの彼女さん。
3人のやり取りをにこにこしながら眺めていた私に気づいた三ツ谷くんがハッとしたようにこちらを見る。
「ごめんな、紹介が遅くなった。こっちが八戒でオレの友達。」
「アタシ柚葉。八戒の姉。コイツうるさくてごめんね?」
「あ、いえいえ全然!八戒くんすごい背高いね、バスケとかやってた?」
「……。」
あれ?聞こえなかったかな?
今露骨に無視された気が…。
「あー…コイツね、アタシ以外の女子に話しかけられるとフリーズしちゃって。極端に恥ずかしがりなだけで悪気はないんだけど、気ィ悪くしたらごめん。」