第7章 TGIF!◉相澤消太
「・・やっぱり、抱かせろ」
「だめ、私本気になっちゃうから」
「なればいい」
「・・・え」
すっかり酔いが醒めたはずのその頬がまた紅く染まって、いつも通りの間抜けな顔が絵に描いたように慌てる
「そ、そんなの困るくせに・・!」
「そうかもな」
色恋に現抜かす余裕なんてねェよ、そう吐き捨てて唇を合わせると触れたそこから身体中に熱が広がった
「お前が、幸せにならないのが悪い」
「わ、私のせいにしないでよ・・!」
「忘れたいとこ悪いが、忘れられなくしてやる」
趣味の悪いド派手な寝巻きのボタンを外すと
必死に隠した腕の隙間から見えた赤い下着に思わず吹き出して
「アイツ、まじかよ」
「ちょっと!見ないで・・!」
「似合わないな、脱いだ方がいい」
抵抗する気のないその手を遇いながら薄い布を剥いでいく
山田にこうされていたかもしれない、そう思うと息を上げ乱れていくその姿に腹が立った
「お前が押しに弱いことは、知ってるが」
「ん、ああ・・っ、!」
「今後、俺以外に触らせたら許さない」
白い胸元に咲かせた紅い花は、想像以上に俺を満足させて
もう戻れない、戻らないようにとその数を増やしていく
「相、澤くん・・っ」
「めぐ、」
好きだ、真っ直ぐに見つめてそう囁けばその目にはまた涙が溢れて
彼女は子供のように声をあげて泣いた
「言うの、遅くなった」
「遅す、ぎ・・」
「返事いらねェって言ったのはお前だろ」
「言ったけど・・!本当に何も言わないなんて」
こんな状況で言われても・・!、そう言って彼女が瞬きをするとまた幾つか零れた涙
その一粒も無駄にしないよう唇を寄せ、髪を撫でる
「す、好きって、シたいから言ってる・・?」
「そうかもな」
「それでも、いいけど・・」
「良いわけないだろ、アホか」
思いっきり睨みつけると、おろおろと下を向いた紅い顔が少しだけ微笑んで
「本気に、しちゃうからね・・」
半信半疑に俺を見上げた瞳が愛しくて、その瞼に口付けを落とした
「安心しろ、酔った勢いにも笑い話にも、
・・頼まれたってさせねェよ」