第6章 言われなくてもそうするよ◉心操人使
「”お願い事”、なんて可愛い気持ちでもないし」
耳に舌を這わされ身体が跳ねる
甘く噛まれたところがじんじんと疼いて
「じゃあもう少し自己中なやつも、聞いてよ」
「やぁ・・っ、そこで喋らないで・・!」
本当は言いたく無かったんだけど、そう呟いた彼の手が服の上から私の身体を撫でる
柔い部分に触れたその手が弄るように動くと
自分じゃないような声が漏れて
離そうと宙に浮いた私の手は呆気なく捕まえられてするりと指が絡んだ
「でも嫌われたら、やだな」
耳から首筋を喰んだ唇に身を捩ると
シーツに縫い付けられた手が視界の端に映る
触れるように絡められた指も
体重を掛けないよう気遣って支える腕も
暴走するなんて言っておいて、彼はこんなにも優しい
「嫌うわけ、ないよ・・」
そう言ってきつく手を握ると一瞬見開かれたその瞳
「‥じゃあ遠慮なく、」照れ臭そうに目を伏せた彼はほんの少しだけ笑って言葉を続けた
「・・他の奴を部屋に入れるのは論外で」
「ふふ、そんな事しないよ」
「俺が居ないとこで、あんまり可愛い格好しないで」
制服以外ではスカートも控えて欲しい、
申し訳無さそうなその声に思わず微笑んだ私を睨むと、彼の手が下から上に太腿を滑る
「ひぁ・・っ、」
「俺が返せなくても、めぐは毎日連絡して」
一日何してたとかできるだけ知りたいし、
そう呟いた唇が私の肌を強く吸う
僅かに痛みが走ったそこに優しく舌を這わされて、無意識に擦り合わせた両脚に彼の視線を感じた
「心、操くん、それだめ・・っ」
「そんな風にされると自惚れちゃうな」
「や・・っ、も、私・・、!」
「まだあるんだけど、いい?」
優しい指先がいやらしく下着の上をなぞる
声が漏れないように唇を噛んで思いっきり頷くと、布をずらした指が濡れたそこに触れた